サプリメントには効果がありますか? サプリメントは安全ですか?
これらは難問であり、答えるのは簡単ではありません。サプリメント(栄養補助食品)のカテゴリーに分類される製品や物質は非常に多くあります。ビタミン、ミネラル、ハーブ、植物由来の成分、さらにはアミノ酸やホルモンなど、いずれも目的や効能の異なるサプリメントとして市販されています。実際、米国人の4人に3人がサプリメントを使用しています。しかし、すべてのサプリメントが同じように作られているわけではありません。サプリメントは有益な場合もありますが、有害となる可能性もあり、特に非常に年少の小児、妊婦、自己免疫疾患がある人、そして高齢者ではその可能性が高くなります。また、服用中の薬や現在受けている治療に伴って合併症が起こる可能性を認識しておく必要があります。
結局のところ、自分の健康をよりよくコントロールしようと努力している人は、正しい方向に一歩踏み出していることになります。しかし、サプリメントの使用を検討している人は、その利点だけでなく有害な可能性があることも理解しておく必要があります。信頼できる情報を見つける方法や全般的な健康状態を改善するためのより効果的な方法があるかどうかも把握しておきましょう。ここでは知っておくべき4つのポイントを紹介します。
1. サプリメントの便益を実現する方法は他にも多くある
サプリメントについてまず最初に理解しておくべきことは、多くの場合、毎日錠剤を服用するよりも食事や生活習慣を調整した方がよいということです。様々な食べものには様々な種類の栄養素やビタミンが含まれており、これらの有益な物質を体内に取り込むよい方法は,そのような食べものを食べることです。例えば、一般的には魚油やオメガ3脂肪酸のサプリメントを摂取するよりも、サケやその他の健康によいといわれている魚を週に数回食べる方がよいでしょう。大抵の場合、減量に役立つと期待されているサプリメントを摂取するよりも、継続して運動することの方がよいです。
微量栄養素の含有量を増加させた栄養強化食品(ビタミンDを添加した牛乳や、ビタミンやミネラルを添加した朝食用シリアルなど)が販売されている場合もあります。このような食品は、ビタミンやミネラルをより多く摂取するのに役立つ可能性があり、多くの場合、サプリメントよりも優れている可能性があります。また、多くの場合、自然食品よりも価格が手頃です。しかし一般的には、大半の人にとって、体が必要とする栄養素の大部分を摂取する最善の方法は自然食品を食べることです。
2. サプリメントは薬のように規制されていない
サプリメントについてよく耳にする批判は,サプリメントが規制されていないということです。正確にはそうではありません。サプリメントは、法律上、薬ではなく食品として扱われています。サプリメントの製造業者は、適切に管理された製造工程に従うことが求められており、消費者保護法(Consumer Protection Act)において、有害作用を報告することが義務づけられています。製造業者は消費者に情報を開示する義務はなく、米国食品医薬品局(FDA)が販売前の製品を分析することはありません。
サプリメントは、薬を服用するのではなく、健康問題に対する「自然でオーガニックな」解決策を求めている人にしばしば人気があります。しかし、多くの場合、これらを比較するのは間違っています。多くの薬は天然由来であり、多くのサプリメントには薬理学的な有効成分が含まれています。サプリメントに関しては、実際にボトルに入っているものに対する監視が少なく、処方薬や市販薬ほど厳しく規制されていないのが現実です。
3. サプリメントのカテゴリーの中には、他のカテゴリーより疑わしいものもある
規制や監視が比較的少ないことを考慮すると、サプリメントが信頼できる製造業者からのものであることを確認することが重要です。それは口で言うほど簡単ではありません。しかし、従うとよい一般的なガイドラインがいくつかあります。一般的に、減量用サプリメントや、ボディビルを促進するもの、「男性の健康」に関連する製品(性的能力を補助するもの)は特にリスクが高い可能性があります。一方で、魚油、ビタミンD、葉酸、亜鉛などのサプリメントは、特定の健康上の懸念がある場合や世界の特定の地域に住んでいる場合では、適切な量で摂取すれば、いずれも有用な場合があります。
具体的な製品については、ラベルに米国薬局方協会(USP)により評価されたことを示す「USP」マークがあるか確認しましょう。これは効力を証明するものではありませんが、成分がボトルに記載された内容と一致しているかを確認する評価が行われ、他の安全性チェックも受けた製品であることを意味します。ConsumerLabという機関の利用も有用な選択肢の1つです。また、製造業者のウェブサイトをチェックして、その組織に直接連絡する方法がないか確認するのも良い方法です。質問があれば、そこで尋ねましょう。
4. サプリメントの使用を開始(または中止)する前に医師に相談する
これは、どれだけ誇張してもし過ぎることはありません。サプリメントは、悪影響を及ぼしたり、薬や治療計画と負の相互作用をしたりする可能性があります。サプリメントの使用を開始する前に、医師と話し合うことが重要です。医師が最初に尋ねる可能性が高いのは、「なぜそのサプリメントを飲もうと思うのか」という質問です。他にも話し合う価値のある治療法や選択肢が存在することもよくあります。
また、処方薬やサプリメントを中止する前に医師に相談することも絶対に必要です。一部のサプリメントは、薬の有効性や用量と相互作用することがあります。サプリメントは手術中に使用される麻酔薬や他の薬と相互作用する可能性があるため、一般的には手術の2週間前に使用を中止することが推奨されています。
結局のところ、サプリメントは魔法のようなものではなく、他のどの医学的治療と比べても本質的に安全でも自然でもありません。しかし、サプリメントも私たちの体に影響を及ぼす力があるということを認識しておきましょう。サプリメントによって達成しようとしている根本的な目標や、自分に合った解決策や製品を見つける最善の方法について、医師と率直に話し合うことが重要です。
サプリメントの詳細については、MSDマニュアルのこのトピックについてのページを参照してください。![author-shane-mcwhorter-laura](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fedge.sitecorecloud.io%2Fmmanual-ssq1ci05%2Fmedia%2Fauthors%2Fmedicalauthor%2Fauthor-shane-mcwhorter-laura.jpg&w=3840&q=75)