肺高血圧症

    心臓は拍動を続ける筋肉でできた臓器で、酸素を豊富に含む血液を全身に送り出しています。血液は、全身に送り出される前に、まず心臓から肺動脈を通って肺に入り、そこで酸素を受け取ります。血液は肺動脈から次第に細い血管へ流れていき、その先で酸素を受け取ります。血管の内径や緊張度は、血流に乗って体内を循環するエンドセリンという物質によって制御されています。肺高血圧症では、このエンドセリンが大幅に増加し、それにより肺の細い動脈が狭くなります。肺の動脈が狭くなると、血流に対する抵抗が大きくなるため、血液を肺に送り出す心臓の負担が増大します。同時に、より多くの酸素を供給しようとして、肺の負担も高まります。この病気では肺動脈の血圧が異常に上昇します。心臓が肺に血液を送り出す負担が大きくなるため、心臓の右側が異常に大きくなり、心不全が発生することがあります。

関連するトピック