経皮的冠動脈インターベンション(PCI)について理解する

先端にバルーンの付いたカテーテルを太い動脈(大腿動脈が選択されることもありますが、現在は手首にある橈骨動脈が最もよく選択されます)に挿入し、その動脈から大動脈を通して冠動脈の狭窄または閉塞部位まで進めます。次に、バルーンを膨らませてアテロームを動脈壁に押し付けて、動脈を開通させます。通常は、折りたたんだステント(網目状のワイヤーでできた筒)をカテーテル先端のしぼんだバルーンにかぶせて、カテーテルと一緒に挿入します。カテーテルがアテロームの部分まで到達したら、バルーンを膨らませ、ステントを開きます。続いて、バルーンの付いたカテーテルを抜き、ステントはそのまま留置して、動脈が開通した状態を維持させます。

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)について理解する

通常、この治療は意識がある状態で行われますが、リラックスさせるための薬を投与することがあります。バルーンを膨らませると狭くなった冠動脈の血流が一時的に遮断されるため、経皮的冠動脈インターベンションの実施中は、患者の状態を注意深くモニタリングします。こうした血流の遮断のために、胸痛が起こり、心電図に電気的活動の異常がみられる場合もあります。経皮的冠動脈インターベンションの実施中の死亡率は1%未満で、死に至らない心臓発作の発生率は5%未満です。経皮的冠動脈インターベンションの直後に冠動脈バイパス術が必要になる人の割合は1%以下です。

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