心不全:拡張機能障害と収縮機能障害

心不全:拡張機能障害と収縮機能障害

正常な状態では、心臓は拡張することで血液を取り入れ(拡張期)、収縮することで全身に血液を送り出しています(収縮期)。心臓を構成する4つの部屋(心腔)のうち、血液の拍出を主に担っているは左右の心室です。

収縮機能障害による心不全は、通常は心臓が正常に収縮できなくなることで発生します。その場合、血液を取り込むことはできますが、心筋(心臓の筋肉)の力が弱くなっているため、あるいは心臓弁に機能障害が起きているために、取り込んだ血液を十分に送り出すことができません。その結果、全身や肺に送られる血液量が減少するとともに、通常は心室が拡大します。

拡張機能障害による心不全は、心筋が硬くなり(特に左心室)、心臓が十分な血液を取り込めなくなるために発生します。その結果、血液が左心房や肺の血管の中にたまり、うっ血を起こします。しかし、この状況でも、心臓が血液を取り込む量と送り出す量の比率が正常を維持している場合があります(ただし送り出される血液の総量は減少します)。

心房や心室には常にある程度の血液が入っていますが、この図では、拍動毎に出入りする血液の量が異なることを矢印の太さで示しています。

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