エキナセアとは何ですか?
エキナセアは多年生の野生の花で、生物学的に活性のある様々な成分を含有しています。エキナセアの様々な部分が薬用として用いられています。
(サプリメントの概要も参照のこと。)
エキナセアについてどのような効能が主張されていますか?
エキナセアは、かぜなどの上気道ウイルス感染症の予防や治療を目的として使用される場合がほとんどです。エキナセアをクリームや軟膏として塗布し、皮膚病や傷口の治癒の促進に用いる場合もあります。支持者たちは、エキナセアには抗酸化作用と抗炎症作用があり、がんやその他の病気の予防に役立つと主張しています。抗酸化物質は正常な細胞活動の副産物で非常に反応しやすい性質をもつフリーラジカルによる損傷から細胞を保護します。
エキナセアには効果がありますか?
一般的なかぜ(感冒)の予防や治療におけるエキナセアの役割に関する研究結果は一貫していません。結果が一貫しない最大の要因は、使用する植物原料のばらつき(植物の異なる部位、異なる植物の種類など)およびサプリメントの材料にあります。
いくつかの予備的な科学的証拠は、エキナセアの摂取はCOVID-19の感染に関与する炎症性分子(サイトカイン)の一部を減少させるのに役立つ可能性があり、一部の人で発生する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の発生率を低下させるのに役立つ可能性があることを示しています。しかし、これは実証されていません。
エキナセアががんの予防に役立つ、免疫、血糖値、不安、炎症を改善する、創傷治癒を促進するという主張を裏付ける厳密な科学的研究はありません。
エキナセアの起こりうる副作用にはどのようなものがありますか?
危険な副作用は確認されていませんが、めまい、疲労、頭痛、消化器の不調がみられる人もいます。特定の植物(ブタクサ、キク、マリーゴールド、デイジーなど)にアレルギーがある人は、エキナセアを摂取するとアレルギー反応を起こすことがあります。
エキナセアにはどのような薬物相互作用がありますか?
エキナセアの8週間を超える摂取は肝傷害を引き起こしうる薬と相互作用する可能性があり、その結果、肝傷害のリスクが高まります。エキナセアは、臓器移植の拒絶反応を防ぐなどの目的で使用される免疫抑制薬の有益な効果を無効にしてしまうこともあります。エキナセアはカフェインの血中濃度を30%も上昇させることがあります。
推奨事項
エキナセアの短期間の使用はおそらく安全ですが、免疫系を高めるのに役立ち、かぜ(感冒)などのウイルス感染症を予防するかどうかは不明です。自己免疫疾患(関節リウマチや多発性硬化症など)のある人、臓器移植を受けた人、免疫の低下(エイズや結核などによる免疫低下)がある人は、エキナセアを使用する前に主治医に相談してください。