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毒トカゲによる咬み傷

執筆者:Robert A. Barish, MD, MBA, University of Illinois at Chicago;
Thomas Arnold, MD, Department of Emergency Medicine, LSU Health Sciences Center Shreveport
レビュー/改訂 2022年 6月 | 修正済み 2022年 9月
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有毒であることが知られているトカゲは次の2種のみです。

  • メキシコドクトカゲ

  • アメリカドクトカゲ

メキシコドクトカゲはメキシコに生息しており、アメリカドクトカゲは、米国のアリゾナ州のほか、ソノラ州をはじめとするメキシコ全域とその近隣地域に生息しています。

これらのトカゲの毒液は、有毒成分や作用の点ではマムシ類と似ていますが、症状は重度とはならないことが多く、咬まれても死に至ることはほとんどありません。ドクトカゲは大多数のヘビとは異なり、キバから毒を注入するのではなく、強く咬み続けることで毒を浸透させます。咬みついたドクトカゲを引き剥がすのは困難なこともあります。

一般的な症状は、咬み傷周辺の痛み、腫れ、変色、リンパ節の腫れなどがあります。脱力、発汗、のどの渇き、頭痛、耳鳴りが生じることもあります。重症の場合は血圧が下がります。

ドクトカゲを引き剥がすには以下の方法があります。

  • あごをペンチで開く

  • トカゲのあごの下に火を近づける

  • 咬まれた四肢(腕や脚)ごとトカゲを水中に沈める

トカゲを引き離した後には、しばしば皮膚の中に歯のかけらが残ることがありますので、その場合は必ず取り除きます。血圧が下がった場合や血がかたまらず出血が止まらない場合には、マムシ類による咬み傷と同様の治療を行います。特定の抗毒素はありません。

咬み傷と刺し傷に関する序論も参照のこと。)

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