エプスタイン病は、逆流(心房への血液の逆流)または狭窄(右心室に入る血流の閉塞)を伴った三尖弁の機能不全を引き起こす三尖弁の異常で、心臓の右側部分が非常に大きくなることがあります。
現れる症状は、症状が始まったときの年齢によって異なります。
新生児では、チアノーゼ(皮膚が青っぽくなること)がみられることがあります。
年齢を問わず、不整脈がみられることもあります。
診断は心電図検査と心臓の画像検査で下されます。
治療は薬剤と手術によります。
(心臓の異常の概要も参照のこと。)
いくつかの研究により、母親が妊娠中にリチウムという薬剤を使用していた乳児でこの異常のリスクが高いことが示されています。しばしばエプスタイン病と一緒に心房中隔欠損症、肺動脈弁狭窄症、WPW(ウォルフ-パーキンソン-ホワイト)症候群がみられます。
エプスタイン病の症状
新生児の皮膚が青みを帯びていることもあれば(全身に十分な酸素が行き届いていないことを意味します)、成人期に不整脈が起きるまで無症状のままのこともあります。
エプスタイン病の診断
エプスタイン病の治療
薬剤
手術
新生児に重度のチアノーゼがみられる場合は、薬剤の使用が必要です。手術を行えるようになるまで右心室が血流を維持できるように、動脈管が開いた状態を維持するためにプロスタグランジンと呼ばれる薬剤を使用することがあります。
三尖弁の異常が重度の症状や心臓の拡大を引き起こしている場合は、三尖弁を手術により修復します。
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国心臓協会:一般的な心臓の異常(American Heart Association: Common Heart Defects):親と養育者を対象として一般的な先天性心疾患の概要情報を提供している
米国心臓協会:感染性心内膜炎(American Heart Association: Infective Endocarditis):親と養育者を対象として感染性心内膜炎の概要情報(予防的な抗菌薬使用の要約を含む)を提供している