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化膿性内耳炎とは、内耳の細菌感染症で、しばしば難聴と平衡感覚の喪失を引き起こします。
内耳は骨迷路という空洞に収まっています。内耳には聴覚器官(蝸牛)と平衡器官が存在します(内耳の概要も参照)。
化膿性内耳炎は通常、重度の中耳の感染症(急性中耳炎)やある種の髄膜炎の際、または頭蓋骨の側頭骨の骨折後に、細菌が内耳に入った場合に発生します。また、鼓膜に長期間穴があいている(中耳炎が繰り返し起こっている人などでみられる)場合に発生することもあり、特に穴のあいた鼓膜で増殖する真珠腫(皮膚のような物質が集まってできた病変)がある場合によくみられます。真珠腫はがんではありませんが、骨を破壊することがあります。
化膿性内耳炎の症状
化膿性内耳炎の診断
化膿性内耳炎の治療
抗菌薬の静脈内投与
中耳からの液体の排出
化膿性内耳炎の治療は、静脈から投与される(静脈内投与)抗菌薬で行われます。また、鼓膜切開術も行われます。この手術では、鼓膜に穴をあけて中耳から液体を排出します(鼓膜切開術:繰り返し起こる耳の感染症の治療を参照)。ときに鼓膜チューブの留置が行われます。この手技では、鼓膜を切開したところにチューブを留置し、中耳から液体を排出できるようにします。一部の患者では、耳の後ろの骨をすべて摘出する、より広範囲の手術(乳様突起削開術)が必要になることがあります。
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