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毛髪の成長の概要

執筆者:Wendy S. Levinbook, MD, Hartford Dermatology Associates
レビュー/改訂 2024年 4月
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毛髪(頭髪と体毛)は毛包から生えてきます。毛包は、表皮と皮下脂肪層(皮下組織とも呼ばれます)の間にある真皮層の中にあります。毛包はほぼすべての部位の皮膚にみられますが、唇、手のひら、足の裏には存在しません。新しい毛髪は、毛包の底部にある毛母(毛母基)という場所で作られます。毛母の中の生きた細胞が増殖して、上に押し上げられていきます。それらの細胞はすぐに乾燥して死に、凝縮して密度の高い硬いかたまりとなり、これが毛幹を形成します。毛幹は死んだ細胞のタンパク質で構成されており、薄い板のようなうろこ状の壊れやすい角質(キューティクル)で覆われています。

皮膚ひふ組織そしきをみる

皮膚ひふは3つのそう構成こうせいされています。皮膚ひふしたには神経しんけい神経終末しんけいしゅうまつせん毛包もうほう血管けっかんがあります。あせ真皮しんぴなかにあるせんつくられ、導管どうかんとおって皮膚ひふ表面ひょうめん排出はいしゅつされます。

毛髪の色は、皮膚の色と同じくメラニン色素によるものです。人間の毛髪の色は2種類のメラニンから生じます。1つは黒い毛や茶色い毛にあるユーメラニンで、もう1つは赤褐色の毛や赤毛にあるフェオメラニンです。ユーメラニンが薄まると金髪の色が生じます。

毛髪の成長には周期があります。各周期は、長期間の成長期と、次の短い移行期、その後に続く短い休止期から構成されます。休止期の終わりになると、その毛髪は抜け落ち、新しい毛髪が毛包の中で成長を始め、新たな周期が始まります。まゆ毛とまつ毛の成長期は1~6カ月間です。頭髪の成長期は2~6年間です。正常であれば、毎日50~100本程度の頭髪が休止期の終わりを迎え、頭皮から抜け落ちていきます。

毛髪の成長は男性ホルモン(テストステロンやジヒドロテストステロンなどのアンドロゲン)によって調節されていて、これらの男性ホルモンは女性の体内にも存在しますが、その量が異なります。テストステロンは陰毛とわき毛の成長を促します。ジヒドロテストステロンは、須毛部(ひげが生える部分)の毛髪の成長と頭髪の脱毛を促します。

毛髪の病気には以下のものがあります。

毛髪の病気の大半は、重篤ではなく生命を脅かすものでもありませんが、見た目に気になるという理由から治療を必要とすることがしばしばあります。

フケは毛髪の病気ではなく、頭皮に生じる皮膚の病気です(脂漏性皮膚炎)。

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