毛孔性紅色粃糠疹(ひこうしん)は、手のひらや足の裏などの皮膚が厚くなって黄色化し、赤く盛り上がった病変が現れるまれな慢性皮膚疾患です。隆起が互いに融合して、鱗屑(りんせつ)を伴った赤橙色の斑(局面)となり、その間に正常な皮膚の領域が残ることがあります。
毛孔性紅色粃糠疹の原因は分かっていません。
この病気の最もよくみられる病型は次の2つです。
若年発症古典型
成人発症古典型
若年発症古典型は遺伝性で、小児期に発症します。成人発症古典型は遺伝性ではないとみられ、成人期に発症します。
Image provided by Thomas Habif, MD.
どちらの年齢群でも他の非古典型がみられます。日光、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症などの感染症、軽い外傷、または自己免疫疾患が急性増悪の誘因となることがあります。
毛孔性紅色粃糠疹の症状
毛孔性紅色粃糠疹の症状としては、ピンク色、赤色または橙赤色の鱗屑を伴う斑が体のあらゆる部分に生じることがあり、通常はかゆみを伴います。皮膚が厚くなり、黄色に変更することもあります。
毛孔性紅色粃糠疹の診断
毛孔性紅色粃糠疹の治療
皮膚に塗る薬
内服薬
光線療法
毛孔性紅色粃糠疹の治療は非常に困難です。症状が緩和することはありますが、この病気自体を治癒させることはほぼ不可能です。古典型は3年かけて徐々に改善しますが、非古典型ははるかに長く持続します。
鱗屑を軽減するために、保湿剤(皮膚軟化剤)が投与されたり、乳酸を塗った後にドレッシングを行って皮膚に空気が触れないようにし(密閉ドレッシング)、その後にコルチコステロイドを皮膚に塗ったりします。ビタミンAの内服が効果的な場合もあります。外用薬による治療で効果がみられない場合は、アシトレチン(acitretin)やメトトレキサートの内服も選択肢の1つになります。
光線療法(紫外線照射)や、腫瘍壊死因子-アルファ阻害薬、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、経口コルチコステロイドなどの免疫機能を弱める薬も使われています。