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ひげ白癬(白癬性毛瘡)は、一般にひげが生える部位(須毛部)に起こる皮膚糸状菌(真菌)感染症です。
(皮膚真菌感染症の概要も参照のこと。)
白癬性毛瘡(はくせんせいもうそう)は、皮膚糸状菌症の一種です。原因菌として最も多いのはトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)とトリコフィトン・ベルコーズム(Trichophyton verrucosum)です。
白癬性毛瘡では通常、皮膚の表層に円形の斑が生じますが、より深い部分で感染が起きることもあります。炎症性禿瘡(とくそう)(一般に頭皮に腫れた斑が生じて、ときに膿がにじみ出る病気)が発生することもあり、瘢痕化やほおひげの脱毛に至る可能性もあります。白癬性毛瘡はまれな病気です。ひげが生える部位(須毛部)の皮膚に起きる感染症のほとんどは、真菌ではなく細菌によって引き起こされます。
ひげ白癬(白癬性毛瘡)
Image provided by Thomas Habif, MD.
白癬性毛瘡の診断は、引き抜いた毛髪を顕微鏡で調べるか、培養検査(検査室で微生物を増殖させて種類を特定する検査)または生検を行うことで下されます。
ひげ白癬の治療
抗真菌薬の服用
ときにコルチコステロイド
白癬性毛瘡の治療はグリセオフルビン、テルビナフィン、イトラコナゾールなどの抗真菌薬の内服により行います。
患部の炎症がひどい場合は、症状を和らげて瘢痕化の可能性を減らすために、プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)の服用などコルチコステロイドによる治療が追加されることがあります。
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