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ヨウ素過剰症はまれで、ヨウ素の過剰摂取が原因で引き起こされ、甲状腺機能に影響を及ぼすことがあります。
体内のヨウ素のほとんどは甲状腺にあります。甲状腺のヨウ素は、甲状腺ホルモンの形成に必要です。
ヨウ素は海水中に存在しています。海水から少量のヨウ素が大気に入り、雨を介して海の近くの地下水や土壌に入ります。
米国を含む多くの地域で、十分な量をとるためにヨウ素(結合したヨウ化物として)が食卓塩に添加されています。
(ミネラルの概要も参照のこと。)
ヨウ素の過剰摂取はまれです。通常は、長期間のヨウ素欠乏症を治療するためにヨウ素のサプリメントを摂取することで起こります。ときに、日本の北部で多くみられるように、海の近くに住む人が大量の魚介類や海藻を食べ、ヨウ素を多く含む水を飲むためにヨウ素の摂取量が過剰になることがあります。
ヨウ素を過剰に摂取しても、通常は甲状腺機能への影響はありませんが、ときに影響が出ることもあります。甲状腺の働きが過度に活発になって、過剰な量の甲状腺ホルモンがつくられてしまうことがあり(甲状腺機能亢進症)、これは特にこれまでヨウ素の摂取量が少なすぎた人でよくみられます。しかし、ときに過剰なヨウ素によって甲状腺ホルモンの分泌が低下することがあります(甲状腺機能低下症)。結果として、甲状腺が腫大して甲状腺腫が形成されます。(甲状腺腫は甲状腺機能が低下するか過剰に活発になった場合に形成されることがあります)
極めて大量のヨウ素をとると、口の中で金属の味がしたり、唾液の量が増えることがあります。ヨウ素が消化管を刺激したり発疹を起こすこともあります。
ヨウ素過剰症の診断
ヨウ素過剰症の治療
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