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多様プロテアーゼ感受性プリオン病(variably protease-sensitive prionopathy:VPSPr)

執筆者:Brian Appleby, MD, Case Western Reserve University
レビュー/改訂 2024年 7月
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多様プロテアーゼ感受性プリオン病(variably protease-sensitive prionopathy)は、プリオン病の一種で、気分や行動の変化、発話の異常、精神機能障害を引き起こします。

プリオン病の概要も参照のこと。)

多様プロテアーゼ感受性プリオン病(variably protease-sensitive prionopathy)は、2008年に特定されました。人間のプリオン病の約3%を占め、約100万人に1~2人の割合で発生します。70歳前後で発症し、症状が現れてからの余命は約24カ月です。

この病気の原因になる遺伝子変異はまだ見つかっていません。多様プロテアーゼ感受性プリオン病(variably protease-sensitive prionopathy)は、プロテアーゼと呼ばれる酵素によって、他のプリオン病と比べて容易にプリオンが破壊されることから、他のプリオン病とは異なると考えられています。

多様プロテアーゼ感受性プリオン病(variably protease-sensitive prionopathy)で最初にみられる症状は通常、気分や行動の変化です。自制がなくなり、強い幸福感(多幸感)を感じ、普段行っていた活動への興味をなくし、無気力になります。発話の異常や協調運動障害をきたすこともあります。精神機能は障害されません。やがて歩行が困難になります。

多様プロテアーゼ感受性プリオン病(variably protease-sensitive prionopathy)は、特に診断が難しく、しばしば別の認知症と誤診されます。

多様プロテアーゼ感受性プリオン病(variably protease-sensitive prionopathy)の効果的な治療法はありません。治療では、症状の緩和に重点が置かれます。

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