手や指の病気には、ガングリオン、変形、神経や血管に関連する病気、変形性関節症、ばね指、キーンベック病、感染症などがあります。
手や指に影響する他の病気の例としては、骨折、その他のけが、関節リウマチ、腱炎と腱鞘炎、ドゥケルバン症候群、レイノー症候群、ばち指、複合性局所疼痛症候群、ある種の先天異常などがあります。
手と指の変形
手と指の変形には、スワンネック変形、ボタン穴変形、デュピュイトラン拘縮などがあります。これらの変形は、けがや、別の病気(例えば、関節リウマチ)が原因で起こることがあります。
一般的に診断は、診察結果で手や指の変形がみられることに基づいて下されます。
変形は副子での固定や運動で治療できることがありますが、変形が数週間ないし数カ月持続している場合は、そうした治療は瘢痕(はんこん)ができているために効果がない可能性があります。副子による固定や運動が役に立たない場合、手術が必要になることがあります。
手と指の感染症
手と指の感染症は典型的には表層部と深部の感染症に分類されます。表層部の感染症では、皮膚を構成する3層べてが侵されます。深部の感染症では、腱、関節内の空間、骨が侵されることがあります。手の表層部の感染症を治療しないでおくと、深部の感染症に進行する可能性があるため、感染の徴候がみられる人は、迅速な評価と治療のために医師の診察を受けるべきです。
人や動物に咬まれると、手に感染症が起こることがあります(咬み傷による手の感染症を参照)。そのほかにも、ひょう疽(ひょうそ)、ヘルペス性ひょう疽、手の膿瘍、腱鞘の感染症、爪周囲炎(爪周囲の皮膚の細菌感染症)などの感染症が起こります。手と指の感染症によって、ズキズキする持続的な強い痛みが生じることがあります。
手と指の感染症の診断は、診察のほか、ときに血液検査、X線検査、その他の画像検査の結果に基づいて下されます。
手の感染症の大半は、抗菌薬の服用または静脈内投与と、ときに手術によって治療されます。医師は、腫れを軽減するために手を高く上げておくよう勧めることがあるほか、ときに手を副子で固定することもあります。
手の神経圧迫症候群
神経圧迫症候群には、手根管症候群、肘部管症候群、橈骨神経管症候群があります。これらの病気では、通常は骨や結合組織により神経が圧迫され、感覚や運動、またはその両方の異常が起こります。神経圧迫症候群の症状は、ピリピリ感、痛み、感覚消失、筋力低下などで、これらが組み合わさって現れることもあります。
神経圧迫症候群の診断は、診察によって疑われ、しばしば筋電図検査と神経伝導検査によって確定できます。
他の治療を行っても症状が重い場合や、感覚消失や筋力低下が長引く場合は、神経の圧迫を取り除くために手術が必要になることがあります。