執筆者:Michael Bartel, MD, PhD, Fox Chase Cancer Center, Temple University
レビュー/改訂 2022年 10月
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やさしくわかる病気事典

    胃は、豆のような形をした、筋肉でできた大きな中空の臓器で、以下の4つの部分で構成されます。

    • 噴門部(ふんもんぶ)

    • 底部

    • 体部

    • 前庭部

    消化器系の概要も参照のこと。)

    食道を通ってきた飲食物は、下部食道括約筋を通過して胃に入ります。

    胃の上部は食べものを一時的に収容する場所として働きます。ここでは、噴門部と底部が弛緩(しかん)して、入ってきた食べものを収容します。その後、体部と前底部(胃の下部)がリズミカルに収縮して、食べものを消化しやすいように胃酸や酵素(胃液)と混合したり小さく粉砕したりします。

    胃の内面を覆っている細胞は、粘液、塩酸、ペプシン(タンパク質を分解する酵素)の前駆体という3つの重要な物質を分泌します。粘液は、胃の粘膜を覆って、胃酸や酵素による損傷から保護しています。この粘液の層がヘリコバクター・ピロリという細菌の感染やアスピリンやその他のステロイド系抗炎症薬(NSAID)の服用などの影響で破壊されると、胃に損傷が起きて胃潰瘍の原因になる可能性があります。

    位置いち

    塩酸は、ペプシンがタンパク質を分解するのに必要になる強い酸性の環境をつくります。胃の中が強い酸性であることは、大半の細菌を殺すことで、感染を防ぐ役割も果たしています。胃酸の分泌は、胃に送られる神経信号や、ガストリン(胃から放出されるホルモン)、ヒスタミン(胃から放出される化学物質)に刺激されて起こります。ペプシンは、タンパク質の一種で肉の主な成分であるコラーゲンを消化する、唯一の酵素です。

    胃から血液中に直接吸収される物質は、アルコールやアスピリンなど数種類しかなく、その吸収量もわずかです。

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