運動の概要

執筆者:Brian D. Johnston, Exercise Specialist, International Association of Resistance Training
レビュー/改訂 2021年 8月
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運動には数多くの便益があります。運動は心身の健康を増進する最も効果的な方法の1つであり、適切に行えば最も安全な方法です。例えば、運動すると、心血管系が強くなって、血圧が下がり、血中の脂肪やコレステロールそして血糖値の改善につながるほか、筋肉が強くなって、転倒を防ぐことができ、また気分も改善することができます。その結果、体の機能が改善して、より長く生きることができ、多くの一般的な病気にもかからずに済む可能性があります。運動の効果は通常、生じうる害をはるかに上回ります。

それでも、害が生じる可能性はあります。負荷のかかる運動やレジスタンス運動を過度に行うと、関節の摩耗につながり、変形性関節症のリスクと重症度が高まる可能性があります。また、特定の疾患を有する人は運動を制限しなければなりません。例えば、冠動脈疾患がある場合は有酸素運動の強度を制限しなければなりません。

運動プログラムにはいずれも以下の側面があります。

  • 頻度(どれぐらい頻繁に運動を行うか)

  • 強度(どれくらい強い運動を行うか)

  • 時間(どれぐらいの時間、運動を行うか)

  • 種類

あらゆる種類の運動の一般原則は、身体能力を高めることで(より強く、より速く、より効率が上がる)、増大した身体的要求に反応することです。異なる種類の運動を行うことで、体の色々な部分に要求が生じます。

運動の一般的なカテゴリーには以下のものがあります。

競技スポーツまたは運動プログラムを開始する前には主治医に相談し(運動プログラムを始めるを参照)、運動を安全に行ったり運動を正しく選択したりすることについては、主治医や地域のフィットネス施設の専門家に聞いたり、信頼できる情報源で公開されている情報を入手したりするのが良いでしょう。

運動プログラム

運動の種類によって、その目的や効果、必要な器具や設備の種類も異なります。初心者では、運動プログラムを組む場合にどこから始めればよいかが分からない可能性があります。どのような運動を選択するにしても、けがのリスクを最小限に抑えて最大限の効果を得るために、運動を適切に行う方法を学ぶことが重要です。地域のフィットネスセンターは、安全で効果的なトレーニングに関する情報を提供してくれる良い情報源となるでしょう。フィットネスセンターでは通常、エクササイズのクラスやパーソナルトレーナーが、様々な種類の運動の手ほどきをしてくれます。エクササイズのクラスを受講することで、継続するモチベーションを維持し、自分でプログラムを考える必要性も最小限になると考える人は多くいます。しかしながら、フィットネスセンターが利用できない、または利用しにくい場合でも、最低限の設備で効果的に運動できる方法は数多くあります。

運動は、1人で行っても(自己流でも指導ビデオを使っても)、グループで行っても(対面でもバーチャルでも)、またはパーソナルトレーナーと行っても、同様の効果があります。好みは人によって異なりますが、最も効果的な運動方法は、個人が継続的に行うものです。ダイエットと同じように、理論的に最高の運動プログラムであっても、それを継続できなければ意味がなく、楽しんで定期的に行うことができる程度の運動プログラムであれば、長期的に良い効果が期待できます。

さらなる情報

  1. 米国疾病予防管理センター:身体活動について(Centers for Disease Control and Prevention: Physical Activity):身体活動の重要性に関する基本的な情報を、年齢層別にガイダンスを交えて紹介

  2. アメリカ国立老化研究所:運動と身体活動について(National Institute on Aging: Exercise and Physical Activity):高齢者の体力に関する情報およびビデオ

  3. Office on Women's Health: 活動的になることについて(Office on Women's Health: Getting Active):女性の健康ニーズに合わせた運動と健康に関する情報

  4. アメリカ合衆国農務省:運動と健康について(US Department of Agriculture: Exercise and Fitness):身体活動の健康上の効果に関する情報(エクササイズビデオ、ログ、プランナーなどを含む)

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