たくさんの親が、幼いお子さんの食習慣のことで心配しています。特定の食べものを食べたがらない子どももいれば、特定の食べものだけを食べたがる子どももいます。好ききらいが多いことで、健康上の問題が起きることはめったにありません。その理由は、ほとんどの子どもの食べものの好みが、成長に害を与えるほど長くは続かないからです。
幼い子どもの食事の問題には、どのようなものがありますか?
とても幼い子どもは、拒食症や過食症など、本当の摂食障害にはなりません。こうした病気はふつう、中学生か高校生のころから始まります。
幼い子どもの食事の問題ではふつう、次のことが起こります:
食事のときに食べない
食べすぎて、太りすぎになる
私の子どもが食事のときに食べようとしないのは、なぜですか?
幼い子どもが食事のときに食べようとしない理由は、ほとんどの場合、次のようなものです:
成長が自然に遅くなってきている
食事の代わりに、おやつやジャンクフードを食べている
赤ちゃんは成長がとても速く、そのため、たくさん食べる必要があります。しかし、生まれてから1年くらいすると、成長が遅くなります。そのころには、必要なエネルギーの量が減っているため、食べる量が減っていきます。このことに気づいていない親は、子どもに無理に食べさせようとすることがあります。子どもが食べるものについて、親が心配しすぎることもあります。ふつう、お子さんに問題はありません。
おやつは必要ですが、問題につながることもあります。子どもはふつう、食事と食事の間に何か食べる必要があります。しかし、おやつの量が多すぎると、食欲がわかず、食事のときに食べようとしなくなります。おいしいおやつ(特にキャンディーやクッキー、炭酸飲料などの甘いもの)は、簡単に食べすぎになってしまいます。ジュースにも糖分がたくさん入っています。
期間の長さに関係なく、食事で食べようとしないことが医学的な問題の徴候であることは、めったにありません。医学的な問題がある場合には、次の症状が現れます:
年齢に応じた正常な成長や発達がみられない
体重が減る
ふつうは、具合が悪くなったり、ほかの症状が現れたりする
私の子どもが食べすぎてしまうのは、なぜですか?
幼い子どもでは、医学的な問題が原因で食べすぎてしまったり、体重が増えたりすることは、めったにありません。太りすぎは、そうなる体質が家族の中で受けつがれる傾向があります。また、子どもが家族の悪い食習慣を学んでしまうこともよくあります。
しかし、食べすぎること自体が問題につながることもあります。太りすぎは、健康なことではなく、お子さんに次のことが起こる危険性を高めます:
糖尿病(血糖値が高くなる)
高血圧
太りすぎの大人になる
からかわれたり、いじめられたりする
もしあなたのお子さんがふだんから食べすぎているなら、医師に相談して、お子さんが食べているものの量や種類に問題がないか確かめてください。
医師はどのようにして、私の子どもに食事の問題があるかどうかを判断しますか?
定期健診のときに、医師があなたのお子さんの食事について質問します。医師は、お子さんが食べているものの種類と量をたずねます。特に大切なことは、おやつと食事のバランスと、健康な食べものとジャンクフードのバランスです。
医師は、お子さんがどのくらい成長しているかを見ることで、問題の深刻さを判断します。医師は次のことをします:
お子さんの身長と体重をはかる
お子さんが成長曲線のどの位置に当てはまるかを見る
成長曲線では、お子さんの身長と体重を、同じ年齢のほかの子どもたちと比べます。体が大きな子どももいれば、小さな子どももいます。しかし、それぞれの子どもをほかの子どもたちと比べてみると、ふつうは同じような結果が続いていきます。たとえば、お子さんの体重がいつもグラフの真ん中の位置にある場合は、お子さんの年齢が上がっていっても、ずっと真ん中の位置にいるはずです。ほかの子どもたちの値から大きく外れていることは、何らかの問題の徴候です。
私の子どもに適切な食べものを食べさせるには、どうすればよいですか?
健康な子どもが十分に食べていないように見えても、心配しすぎないようにしてください。大切なのは次のことです:
お子さんに1日3回、食事を食べさせてください。
おやつは1日2~3回までにしてください。
食事中は:
お子さんに、ほかの家族といっしょに食事を食べさせ、全員が食卓につくようにしてください。
注意をそらすものを制限してください。テレビも消して、デジタル機器の電源も切り、ペットが食事中の部屋に入って来ないようにしてください。
食器に乗っている食べものの中から、どれを食べるかは、お子さんに決めさせてください。
食事の時間が始まってから20~30分したら、お子さんの食器を片づけてください。
食べ残しの量については、お子さんに言わないでください。
子どもが数回の食事であまり食べなくても、飢餓になることはありません。お子さんが食事の後にジャンクフードでおなかを満たさないようにしてください。
おやつとしては:
果物、チーズ、小さなサンドイッチ、牛乳など、健康的な食べものを少しだけ食べさせてください。
キャンディー、クッキー、ポテトチップス、ファストフードなど、カロリーの高いおやつは食べさせないようにしてください。