破傷風とはどのような病気ですか?
破傷風は、破傷風菌(Clostridium tetani)という細菌によって引き起こされる、命にかかわる病気です。
破傷風菌は、神経や脳に影響を与える毒を作り出します。
破傷風は、切り傷、刺し傷、やけどなど、皮膚から微生物が入ってしまうけがの後に起こります。
最初の症状は強い筋肉のけいれんで、けがをしてから1~2週間後に始まります。
もの飲み込みづらくなり、呼吸が苦しくなることがあり、それによって死んでしまうこともあります。
破傷風ワクチンを受けることが、破傷風の予防に役立ちます。
自分が破傷風かもしれないと思ったときや、刺し傷、深い切り傷、またはしっかり洗うのが難しい傷があるときは、すぐに病院に行ってください。
破傷風の原因は何ですか?
破傷風を引き起こす細菌は、土の中や動物のふんの中にいます。もしあなたに次のものがあるなら、この細菌が体の中に入ってくる可能性があります:
切り傷や刺し傷、特に深いものや、土が中に入っているもの
よごれた針(タトゥー用の針や違法薬物の注射に使う針など)による刺し傷
やけどや凍傷などの皮膚の傷
低所得~中所得の国では、へそのおを切ったところに土が入って、赤ちゃんが破傷風になることがあります。
破傷風にはどのような症状がありますか?
症状は、けがをしてから5~10日くらい後に始まりますが、遅い場合は50日たってから始まることもあります。次のような症状があります:
痛みを伴った筋肉のけいれんが起き、筋肉が張って、硬くなる
筋肉のけいれんはふつう、あごから始まります。あごを開くことができなくなり、そのため、破傷風は「開口障害」と呼ばれることもあります。筋肉のけいれんは、のどや呼吸に影響を与えたり、後になって首、肩、顔、腕、脚、背中、おなかに現れたりすることもあります。破傷風の人は、まゆがつり上がった笑ったような表情で、顔の筋肉が固まることがあります。また、背中が曲がって、排尿や排便が難しくなることもあります。
ほかにも次のような症状があります:
心拍が速くなる
熱が出て、汗をかく
医師はどのようにして、私が破傷風かどうかを判断しますか?
医師は、あなたの症状と最近あったけがについて質問することによって、あなたが破傷風かどうかを判断します。医師は、けがをした部分の組織を少しだけ取って、細菌がいないか調べることがあります。
医師は破傷風をどのように治療しますか?
破傷風になった人は、入院して治療を受けます。医師は切り傷などの傷をきれいにして、死んでしまった皮膚の組織を取り除きます。医師は次の方法で破傷風を治療します:
点滴をして抗菌薬を静脈から体に入れる
筋肉のけいれんを軽くするための薬を注射する
あなたが一度もワクチン接種を受けたことがないか、過去10年間に追加の接種を受けていない場合、破傷風ワクチン
痛みや不安に対する薬
呼吸ができない場合は、医師がのどに呼吸用のチューブを入れて、人工呼吸器をつけます。あなたがものを飲み込めない場合は、医師はあなたの静脈から栄養や水分を注入します。
破傷風はどうすれば予防できますか?
破傷風は、破傷風ワクチンの接種(予防接種)を受けることで予防できます。小さな子どもには、破傷風ワクチンはジフテリアと百日ぜきのワクチンといっしょに注射します。小さな子どもは、少なくとも3回の注射を受けます。大人はその後、10年に1回、追加の注射を受けるべきです。
切り傷などのけがをしたときは必ず、すぐに傷口を石けんと水で洗ってください。その後、病院に電話をするか、診察を受けに行って、破傷風の注射が必要かどうかを確かめてください。もしあなたが一度も破傷風の注射を受けたことがないか、過去10年間に追加の注射を受けていないなら、あなたには注射が必要です。