心不全とはどのような病気ですか?
心臓は、酸素と栄養を体のほかの部分に運ぶために、ポンプのように動いて血液を送り出しています。心不全とは、心臓がしっかり血液を送り出せなくなった状態のことです。心臓が止まっているという意味ではありません(その場合は心停止といいます)。
あなたが心不全になると、あなたの心臓が送り出す血液が少なくなります。
それにより、肺の中や、体のほかの部分に水がたまるようになります。
肺にたまった水が多くなりすぎると、息をするのが苦しくなります。
脚にたまった水が多くなりすぎると、脚が腫れます。
腎臓に十分な血液が送られなくなると、つくられる尿の量が減り、体の中の水が増えます。
こうして体内の水が増えすぎることで、あなたの心臓は、さらにがんばって働かなければならなくなります。
そのため、心不全はさらに悪くなる可能性があります。
体の中に余分な水がたまることを「うっ血」といいます。そのため、心不全はときどき「うっ血性心不全」と呼ばれることがあります。
心不全になるかもしれないのは、どのような人ですか?
心不全の原因は何ですか?
心不全にはどのような症状がありますか?
息をつくことができない感じがして、横になるとひどくなる
体全体に疲れを感じる
足、足首、脚のむくみ
症状はふつう、ゆっくりと現れます。最初のうちは、階段を上ったときにだけ息切れを感じたり、1日の終わりにちょっとした脚のむくみに気づいたりするだけのこともあります。その後、ふだんの活動をしているときに、息切れや疲れを感じることがあります。心不全が重くなると、いすに座っていても息が切れたり、脚がひどく腫れた状態がずっと続いたりすることがあります。
心不全は、特に重い場合には、あなたの命を縮める可能性があります。治療によって、あなたはより長く生きられるでしょう。
医師はどのようにして、私が心不全かどうかを判断しますか?
医師は私の心不全を治療することができますか?
はい、できます。あなたは、残りの人生を心不全とともに生きていくことになるかもしれませんが、治療を受けることで、生活がよくなったり、寿命がのびたりする可能性があります。治療としては、ふつう、心不全の原因になっている病気を治療したり、薬を飲んだり、あなたの生活習慣を変えたりします。
心不全はどのような薬で治療できますか?
心不全の治療には、さまざまな種類の薬が役立ちます。よくある種類の一部を下に示します:
ACE阻害薬:血管を広げて血圧を下げることで、心臓があまりがんばらなくてもよいようにし、腎臓が余分な水を体の外に出すのを助けます。
ベータ遮断薬:心拍数を下げることで、心臓があまりがんばらなくてもよいようにし、かたくなった心臓をゆるめて、血液が中に入っていきやすいようにします。
利尿薬:尿の量を増やすことで、腎臓が余分な水を体の外に出すのを助けます。
あなたの心不全がとても重くて、薬も効かない場合は、医師が心臓の移植や、心臓が血液を送り出すのを助ける機械の使用を勧めることがあります。
もし心不全になったら、私には何ができますか?
生活をより快適にする
座っているときは脚を上げましょう。
眠るときは、呼吸をしやすくするために、頭の下にまくらをいくつか置いてねましょう。
使っている薬を管理する
薬を飲むのを忘れないようにしましょう。
ドラッグストアで買うものも含めて、新しい薬を飲み始めるときは必ず、その前にかかりつけの医師に確認しましょう。
医師や医療チームと連絡をとる
体重を毎日はかり(いつも同じくらい量の服を着て、同じ時刻に、同じ体重計を使ってはかります)、体重を記録しておくことで、体の中に水がたまりすぎていないか知っておきましょう。
自分の症状に毎日注意をはらいましょう。
もしあなたの体重が1キロ以上増えた場合や、症状が悪くなり始めた場合は、あなたをみてくれている医療チームに知らせましょう。
健康的な生活習慣を身につける
塩味が強いものを食べたり間食をしたりしないようにし、お皿につがれた食べものや料理中の食べものに塩を足さないようにすることで、食べる塩分の量を減らしましょう。
たとえ汗をかく運動はできなくても、できるだけ活動的に生活しましょう。
太っている場合は体重を減らす
タバコをすうこととお酒を飲むことをやめましょう。
インフルエンザの予防接種を毎年受けましょう。
心不全はどうすれば予防できますか?
心不全が起きる前に心不全を引き起こす健康上の問題の治療については、あなたの医師の助言に従ってください。