結節性硬化症とはどのような病気ですか?
結節性硬化症の原因は何ですか?
結節性硬化症は、異常な遺伝子によって引き起こされます。
その異常な遺伝子は、親から赤ちゃんに受けつがれる場合もあります。一方で、赤ちゃんが家族の中で最初にその異常な遺伝子をもった人になる場合もあります。
結節性硬化症にはどのような症状がありますか?
症状はさまざまで、一部の子どもではほかの子どもよりひどくなります。
皮膚に色が変わった部分や、平らなしみ、しこり、ふくらみが現れることがよくあります。
目のおくの部分(網膜)に斑点ができて、目の見え方に影響があることがあります。
子どもでは、永久歯の表面がくぼむことがよくあります。
腫瘍は、次のように腫瘍ができる位置によって、さまざまな症状を引き起こします:
脳の腫瘍は頭痛、けいれん発作、知的障害を引き起こしたり、子どもの発達をおくらせたりすることがあります。
腎臓の腫瘍があると、高血圧やおなかの痛みが起きたり、尿に血が混じったりすることがあります。
肺の腫瘍(10代の女の子に多い)があると、呼吸に問題が起きることがあります。
心臓の腫瘍は生まれる前にできて、症状はありません。
この写真には、灰白色の葉状白斑が写っています。これは、結節性硬化症複合体の患者の多くでみられます。
By permission of the publisher.From Puduvalli V: Atlas of Cancer.Edited by M Markman and R Gilbert.Philadelphia, Current Medicine, 2002.
この写真には、結節性硬化症複合体の患者の顔の真ん中あたりに、血管と線維組織からできた赤いふくらみ(血管線維腫)が写っています。
Photo courtesy of Karen McKoy, MD.
この写真には、淡い褐色(コーヒーミルク色)の平らな斑(カフェオレ斑)が写っています。
DR P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY
この写真には、結節性硬化症複合体の患者の手や足の爪の下に小さな肉のかたまり(ケーネン腫瘍)が生じている様子が写っています。
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医師はどのようにして、私の赤ちゃんが結節性硬化症かどうかを判断しますか?
医師は結節性硬化症をどのように治療しますか?
結節性硬化症を治せる治療法はありません。
医師は、次の方法でお子さんの症状を治療することをすすめます:
けいれん発作や高血圧を治療するための薬
ときには、腫瘍を取り除くための手術
ときには、腫瘍を小さくするための薬
発達のおくれに対して、特別支援教育や理学療法、作業療法、言語療法
皮膚のできものを取り除く処置
乳児の結節性硬化症はどうすれば予防できますか?
結節性硬化症を予防することはできません。
しかし、あなたの家族の中で結節性硬化症が遺伝していて、あなたが子どもをつくろうと考えている場合は、遺伝子検査を受けることで、結節性硬化症を引き起こす遺伝子をあなたがもっているかどうかを調べることができます。遺伝カウンセリングは、お子さんがこの病気になる危険性を明らかにするのに役立ちます。