神経線維腫症とはどのような病気ですか?
「神経」とは神経系のことを意味しています。神経系には脳、脊髄、神経が含まれます。「線維腫」は、肉質のできものの一種です。
神経線維腫症では、神経組織の小さな肉質のできもの(神経線維腫といいます)が皮膚の表面や皮膚の下、そして体のほかの部分にたくさんできます。神経線維腫症には、いくつかの種類があります。赤ちゃんや子どもで診断される種類もあれば、大人になってから診断される方が多い種類もあります。
神経線維腫症の原因は何ですか?
神経線維腫症は、異常な遺伝子によって引き起こされます。神経線維腫症の種類ごとに、それぞれ別の異常な遺伝子によって引き起こされます。その異常な遺伝子は、親から赤ちゃんに受けつがれる場合もあります。一方で、赤ちゃんが家族の中で最初にその異常な遺伝子をもった人になる場合もあります。
神経線維腫症にはどのような症状がありますか?
症状は神経線維腫ができた場所によって変わります。
皮膚の症状:
ミルク入りコーヒーの色をした、大きなそばかすのような、皮膚のしみ(「カフェオレ」斑)
皮膚の小さなしこりやふくらみ(数個だけの場合もあれば、何千個もできる場合もあります)
神経または脊髄の症状:
ピリピリ感
痛み
筋肉に力が入らない
できものが腕や脚の神経を圧迫することで神経の症状が出る可能性があります。
脳の症状:
目が見えなくなる
めまい
力が入らない
体の動きがぎこちなく、安定しなくなる
難聴
耳鳴り
頭痛
まれに、できものによって、頭蓋骨と背骨、それに肋骨、腕の骨、脚の骨に構造の異常が起きることがあります。目の周りの骨に異常が起きると、目が前につき出ることがあります。
医師はどのようにして、私の子どもが神経線維腫症かどうかを判断しますか?
医師は神経線維腫症をどのように治療しますか?
神経線維腫症を治せる治療法はありません。
できものは手術やレーザー治療で取り除くことができますが、また新しくできることがあります。悪性のできものに対しては、医師は化学療法をします。
神経線維腫症はどうすれば予防できますか?
あなたの家族に神経線維腫症の人がいて、あなたが子どもをつくろうと考えている場合は、遺伝子検査を受けることができます。遺伝子検査では、あなたがその遺伝子をもっているかどうかが分かります。あなたがその遺伝子をもっている場合は、その遺伝子がお子さんに受けつがれる可能性を調べるのに、遺伝カウンセリングが助けになります。