けいれん発作とは何ですか?
けいれん発作は、脳の電気信号が変化することで起きる発作です。
脳は神経細胞でできています。
神経細胞は、電気信号を利用して、たがいにやり取りをしています。
あまりに多くの神経細胞がいっせいに信号を送ると、発作が起こります。
子どもがけいれん発作を起こしたとき、どのようなことが起こりますか?
けいれん発作は、子どもと大人で変わりません。あまりに多くの神経細胞が信号を送ると、脳がそれらの信号を処理できず、異常なことが起こります。たとえば、お子さんに次のことが起こるかもしれません:
たおれて、全身がふるえ始める
意識がなくなったり、頭が混乱したりする
ふつうは数分すると、神経細胞がふつうに動き始め、正常な状態にもどります。
てんかんとはどのような病気ですか?
てんかんは、長い期間にわたって、けいれん発作が何度も起こる病気です。
一度けいれん発作が起こっても、再び起こることがなく、てんかんにはならない子どももいます。てんかんの子どもには、けいれん発作が何度も起こりますが、発作の回数は人によってちがいます。1年に1回か2回だけ、けいれん発作を起こす子どももいます。けいれん発作を毎日起こす子どももいます。
子どものけいれん発作の原因は何ですか?
けいれん発作の見た目はどのようなものですか?
生まれたばかりの赤ちゃんにけいれん発作が起きると、次のようになることがあります:
唇を鳴らしたり、食べものをかむような動きをしたりする
左右の目がちがう方向を向く
ぐったりする
生まれたばかりの赤ちゃんはふつう、より成長した子どものけいれん発作のように全身をふるわせることはしません。
成長した赤ちゃんや幼い子どもにけいれん発作が起きると、次のようになることがあります:
たおれて、けいれん(腕や脚のビクビクする動き)が起こる
背中を弓のように反らせて、固まっているように見える
ぼんやりしたり、頭が混乱したりする
けいれんは、片方の腕や脚など、体の一部だけに起こることもあります。
けいれん発作が起きている間は、お子さんは何が起こっているの分からず、あなたと話をすことも、問いかけに答えることもできません。それでも呼吸はしています。けいれん発作が終わると、その子どもはふつう、少し混乱しています。混乱は長いと1~2時間続くこともあります。
けいれん発作によって脳が傷つくことはありますか?
けいれん発作が長い時間(一般的には1時間以上)続かなければ、けいれん発作が子どもの脳に害を与えることはありません。ほとんどのけいれん発作は1~2分しか続きません。
私の子どもがけいれん発作を起こしたら、私はどうすればよいですか?
お子さんを横向きに寝かせてください。
けがをしそうなもの(階段やとがったものなど)から、お子さんを遠ざけてください。
意識がはっきりするまで、お子さんに食べものや飲みものを与えないでください。
次のような対処法を聞いたことがあるかもしれませんが:
お子さんの口に物を入れてはいけません。
お子さんの舌をつかもうとしてはいけません。
次の場合は、救急車を呼んでください(日本では119番、アメリカのほとんどの地域では911番):
けいれん発作が5分以上続いている
けいれん発作が起きている間に、けがをした場合
けいれん発作が終わった後に、呼吸が苦しそうにしている場合
すぐに次の発作が始まった場合
お子さんにとって初めてのけいれん発作だった場合
もしお子さんにけいれん性疾患があるなら、またけいれん発作が起きた場合に、いつ、どんなときに、どのくらい急いで病院に行けばいいのかについて、医師に相談してください。
子どもにけいれん発作が起きた後には、医師はどのようなことをしますか?
医師が何をするかは、次のことがらによって変わってきます:
今回がお子さんの初めてのけいれん発作かどうか
前にもけいれん発作が起きたことがあって、原因を調べるための検査を受けたことがあるかどうか
今回が私の子どもの初めてのけいれん発作です
私の子どもは前にもけいれん発作が起きたことがあります
お子さんが前にもけいれん発作が起きたことがあり、検査も受けたことがある場合は、医師はふつう、次のことに当てはまらないかぎり、心配しないでしょう:
けいれん発作が、いつもとちがう、または
けいれん発作が、いつもよりとても多く起こる
このような場合は、お子さんを病院に連れて行く必要があり、医師は一部の検査をもう一度することがあります。お子さんがけいれん発作を予防する薬を飲んでいる場合、医師はふつう、血液検査をして、お子さんの血液の中に十分な量の薬があることを確かめます。
お子さんに前のときと変わらないけいれん発作が起きた場合は、病院に行く必要がないかもしれません。けいれん発作がまた起こったらどうすればよいかについて、前もって医師に相談しておいてください。
医師はけいれん発作をどのように治療しますか?
けいれん発作を止めるには
ほとんどの子どもには、けいれん発作が起きている間にけいれん発作を止める治療は必要ありません。
けいれん発作は15分以上続くこともあります。そのようなけいれん発作に対しては、医師はお子さんの静脈から薬を体に入れて、けいれん発作を止めます。
けいれん発作を予防するには
数分しか続かないけいれん発作が1回だけ起きた子どもには、ふつう、けいれん発作を予防するための治療は必要ありません。
けいれん発作が何度も起きている子どもや、長く続く発作が起きた子どもには、医師はふつう、発作を予防するための薬(抗てんかん薬)を出します。
一部のとても深刻なてんかんは、薬でコントロールできません。それ以上、けいれん発作が起きないようにするために、脳の手術や別の医療処置を受けることがあります。