チックとは何ですか?
チックは、自身はそうしようというつもりがないのに、急に素早い動きをしたり、音を出したりすることです。動きや音のくり返しは、数回だけのこともあれば、何回も続くこともあります。
トゥレット症候群は、そのような動きと音の両方からなるチックが、1年以上にわたって起こる病気です。
チックは、わざとしている動作ではありませんが、くしゃみをしたいときのように、それをしたいというとても強い衝動があります。くしゃみと同じように、チックを止めるのは、とても難しいことです。しかし、数分間は止められることもあります。
動きのチック(運動チック)としては、まばたきをする、顔をしかめる、急に頭をふるなどがあります。
音のチック(音声チック)としては、せきばらいや、何かをぶつぶつ言うことなどがあります。
チックは1日に何回も現れることもあれば、数カ月に1回しか現れないこともあります。
複雑な動きや声のチックは、あなたの生活のじゃまになることがあります。
軽いチックは、年をとるにつれて、自然に治ることがよくあります。
チックはわざとする動作ではないため、チックをしたことで子どもに罰を与えたり、からかったりしてはいけません。
チックが起こるのはどのような人ですか?
チックの原因は何ですか?
チックの原因は分かっていません。
チックは、なりやすい体質が家族の中で受けつがれることがよくあります。
チックは、わざとしている動作ではありません。チックをしたことで子どもに罰を与えても、チックを止めることはできず、むしろ悪化させることさえあります。
チックにはどのような症状がありますか?
チックには、単純性チックと複雑性チックがあります。
単純性チックは、とても短時間のチックです。次のようなものがあります:
まばたきをする
顔をしかめる
急に頭をふる
肩をすくめる
何かをぶつぶつ言う、どなる
においをかぐ、鼻を鳴らす
せきばらいをくり返す
単純性チックは、意味のないただの素早い動きや音ですので、ふつうは、多くの社会的な問題を引き起こすことはあまりありません。
複雑性チックは、長く続くもので、複数の単純性チックの組合せである場合もあります。複雑性チックとしては、次のものがあります:
急に頭をふることと肩をすくめることの組合せ
口ぎたない言葉を言う
不適切な身ぶりをする
ほかの人が言ったことをくり返す
ほかの人の動きを何度もまねする
複雑性チックは、人を侮辱したり、失礼なことをしたりするつもりでやっているように見えることがあります。そのため、重い複雑性チックのある人は、職場や学校での問題や、友人関係の問題をかかえていることがあります。ほかの人の近くにいることをとても不安に思ったり、人を避けようとしたりすることもあります。
医師はどのようにしてチック症を診断しますか?
あなたがチックのように見える動作をしていて、それがほかの特定の基準を満たしている場合、医師はチック症と診断します。チック症を診断するための検査はありません。
医師はチック症をどのように治療しますか?
症状が軽い場合、医師はあなたに、チックが無害であることや、自然になくなるまで待てばいいということを、理解してもらおうとします。年長の子どもや大人の場合は、心理療法士と協力して、自分のチックをコントロールするために役立つ、リラクゼーション法などの方法を学ぶこともできます。
チックが長い間続き、日常生活に影響が出ている場合は、医師はチックを軽くするための薬を試すことがあります。
チックがある人は、強迫症、注意欠陥障害など、チックがある人によく起こる病気について、評価と治療を受ける必要があります。チックがあるために学校生活に苦労している子どもは、学習障害がないか調べる評価を受けて、サポートを受ける必要があります。