結膜は、まぶたの内側と白目をおおっている透明なうすい組織です。
トラコーマとはどのような病気ですか?
トラコーマは、結膜に起きる特定の種類の細菌感染症です。
トラコーマは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌によって引き起こされます。
治療しなければ、目が見えなくなることがあります。
トラコーマは、世界的に見て、予防可能な失明の原因で最もよくみられるものです。
トラコーマは、ほとんどの場合、北アフリカ、中東、インド、オーストラリア、東南アジアの気温が高く乾燥した国に住んでいる小さな子どもに起こります。
トラコーマは、感染している人の目や手にさわることや、ハエや、タオルなどの感染しているものを人といっしょに使うことにより、簡単にうつります。
医師はトラコーマを抗菌薬で治療します。
トラコーマの原因は何ですか?
トラコーマは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌によって引き起こされます。この病気は次のことによって簡単にうつります:
感染している人の目や手をさわった後にあなたの目をさわること
ハエ
この細菌がついているタオル、アイメイク用の化粧品、ハンカチを人といっしょに使うこと
この細菌は、性感染症を引き起こす種類のクラミジアと関係がありますが、トラコーマは性行為ではうつりません。
トラコーマにはどのような症状がありますか?
ふつうは両方の目に異常が現れます。はじめのころに出る症状としては、次のものがあります:
目の赤み、かゆみ、ヒリヒリ感
涙目
まぶたの腫れ
明るい光に対して敏感になる
しばらくすると、トラコーマはゆっくりと角膜へと広がっていきます。角膜は、それを通してものを見る、目の透明な部分です。目の前側にあって、目の色のついた部分(虹彩)部分をおおっています。角膜にトラコーマが起こると、次の症状が現れます:
視力の問題が悪化する(血管ができて角膜に入りこむことによってものが見えなくなる)
まぶたの内側の傷ついた組織が角膜をひっかいたり、まつ毛が内側に向いてまばたきの時に角膜とこすれたりする
視力に障害が起きたり、失明したりする
医師はどのようにして、私がトラコーマかどうかを判断しますか?
医師は、あなたの症状からトラコーマではないかと疑います。確かめるために、医師はあなたの目を綿棒でぬぐい、そのサンプルを検査室に送ります。
医師はトラコーマをどのように治療しますか?
医師は次のことをします:
抗菌薬を出す(飲み薬か、目にぬる軟膏)
トラコーマによってまぶたにひどい傷ができたり角膜が傷ついたりしている場合は、目の手術をする
トラコーマはどうすれば予防できますか?
トラコーマが人にうつるのを予防するために、医師は次のことを指示します:
きれいな水で手と顔を洗う
同じタオルや手ぬぐい、寝具類、アイメイク用の化粧品をほかの人といっしょに使わないようにする
ハエの発生しそうな場所をなくす
近くに住んでいる人にトラコーマの人がたくさんいる場合、医師は近所の人全員に抗菌薬を出します。