いぼ(疣贅)とは何ですか?
いぼは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因でできる、皮膚の小さなできものです。ヒトパピローマウイルスには、たくさんの種類があります。いぼは皮膚のどこにでもでき、ほかの人にうつることもあります。
いぼの原因は何ですか?
いぼの原因は、ヒトパピローマウイルスというウイルスです。ヒトパピローマウイルスには、100以上の種類があります。いぼは、陰茎、腟、または直腸にいぼのある人との性行為などで、ほかの人のいぼにさわることで、うつることがあります。口を使った性行為をすると、あなたの口やのどにヒトパピローマウイルスが感染する可能性があります。
子どもや若い大人は、ほかの年代の人より、いぼができやすいです。たとえば、HIV感染症やエイズの人、臓器移植を受けた人など、免疫の働きが弱まっている人も、いぼができる危険性が高いです。
いぼにはどのような種類がありますか?
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よくあるいぼ(尋常性疣贅):
小さな硬いできもので、表面はザラザラしていて、色は灰色、黄色、茶色、黒の場合があります。
けがをしやすい場所、たとえば膝、顔、指、肘などに現れます。
周りの皮膚に広がることがあります。
Image provided by Thomas Habif, MD.
足の裏と手のひらのいぼ(足底疣贅と手掌疣贅):
硬くて、平らで、表面がザラザラしていて、色は灰色か茶色で、中央に小さな黒いしんがあります。
手掌疣贅は手のひらにできます。
足底疣贅はふつう、足の裏にできますが、足の甲や足の指に盛り上がったできものとして現れることもあります。
足底疣贅は、さわると痛いことが多く、立ったり歩いたりするときに痛む場合もあります。
モザイク疣贅は、足の裏や手のひらにできた複数の小さないぼが、集まってくっついたものです。
爪囲疣贅:
爪の周りにできる厚いできもので、表面がカリフラワーのようになっていることがあります。
爪の周りの皮膚に、感染などの問題を引き起こすことがあります。
ふつうは、爪をかむ人や、食器洗いなどで手がよくぬれる人にできます。
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糸状疣贅:
細長くて小さなできものが、ふつうはまぶた、顔、首、または唇にできます。
ふつうは簡単に治療できます。
扁平疣贅:
子どもと若い大人によく起こります。
ふつうは2つ以上が集まってでき、表面がなめらかで、上部が平らで、色は黄色がかった茶色、ピンク色、または肌色です。
顔、手のこう、引っかき傷のそば、毛をそっている部分(男の人のひげのまわりや、女の人の脚など)によく現れます。
治療が難しいことがあります。
陰茎、肛門、外陰部、腟、または子宮頸部にできます。
平らで、表面がなめらかな場合もあれば、カリフラワーのようにデコボコしている場合もあります。
肛門の周りにできた場合は、かゆくなることが多いです。
性行為によってうつります。
いぼがある場所にがんができる危険性が高くなります。
ヒトパピローマウイルスワクチンの接種を受けることで予防できます。
医師はどのようにして、私にいぼがあるかどうかを判断しますか?
医師は、その見た目から、いぼかどうかを判断できます。あなたの皮膚に医師にも判断できないできものがある場合、医師はそれを切り取って、顕微鏡で調べることがあります(生検)。
医師はいぼをどのように治療しますか?
多くのいぼは、治療をしなくても、1~2年でなくなります(特に尋常性疣贅の場合)。尖圭コンジローマがある場合、医師は薬用クリームや化学薬品を使って、また、ときには手術をして、治療します。医師は、ほとんどの種類のいぼを、化学薬品を使うか、凍らせるか、レーザーで焼くか、切り取ることによって、取り除きます。治療法は、いぼの種類、いぼがある場所、いぼの大きさによって変わります。
どの種類のいぼでも、なくなった後や取り除いた後に、またできることがあります(特に足の裏のいぼ)。
クリームや液体の化学薬品を使って、いぼを取り除く場合:
医師はふつう、サリチル酸やトリクロロ酢酸など、いぼを消したり、はがしたりする化学薬品が入っているクリームや液体を使います。
皮膚にやけどをしないように、注意深く指示に従いながら、あなたが家で自分でぬることができる化学薬品もあります。
毎回の治療の前に、あなた自身か医師が、いぼから死んだ組織をけずり取る必要があります。
いぼを取り除くには、あなたや医師が、おそらく数週間から数カ月かけて、何度も治療をしなくてはいけません。
凍らせる治療法(凍結療法)で、いぼを取り除く場合:
足の裏のいぼ、糸状疣贅、手の爪の下のいぼの治療では、医師はふつう、凍らせる治療法を使います。
子どものいぼを治療するときには、医師がその部分に麻酔をかけることがあります。
あなたはふつう、1カ月ごとに何度も治療を受けなくてはいけません(特にいぼが大きい場合)。
焼き切る治療法で、いぼを取り除く場合:
医師がレーザーか電流を使って、いぼを焼き切ります。
この治療法はよく効きますが、痛みが強く、ふつうは傷あとが残ります。