肺がんとはどのような病気ですか?
肺がんは、肺の細胞にがんができる病気です。
別の臓器にできたがんが肺に広がる(転移する)こともあります。肺に広がったがんは、実際には肺がんとはみなされません。乳房、結腸、前立腺など、最初にがんが発生した臓器からの転移がんとみなされます。
肺がんの最も多い原因はタバコを吸うことです。
よくある症状の1つとして、せきが治らなかったり、しばらくしていたせきに変化がみられたりします。
肺がんは45~70才の人で最もよくみられます。
ほとんどの場合、肺がんは胸部のX線検査で見つかります。
肺がんは、がんによる死亡の最も多い原因です。
肺がんにはどのような種類がありますか?
肺がんにはおもに次の2つの種類があります:
非小細胞肺がん(より一般的)
小細胞肺がん(あまり一般的でない)
どちらの種類も危険ですが、小細胞の方が少し危険度が増します。治療法が異なるため、どちらの種類であるかが重要です。
肺がんの原因は何ですか?
肺がんのおもな原因は次のとおりです:
タバコを吸うこと(肺がん100人のうち約85人はタバコが原因です)
禁煙すると、がんになる危険が少なくなります。ただ、タバコを吸わなくても、肺がんにかかる可能性はあります。
肺がんのそのほかの原因には次のものがあります:
遺伝的なもの(親または祖父母から受けついだもの)
大気の汚染
タバコや葉巻を吸っている人が周りにいる(受動喫煙)
がんを引き起こす可能性のある物質(アスベスト、放射線、ラドンなど)を吸い込む
すべての調理と暖房に直火を使用している
アスベストは鉱物でできた繊維で、断熱材などの建築材料として使用されます。放射線は自然界に少量存在しますが、X線検査やCT検査などの画像検査で多すぎる量の放射線をあびることが心配されています。ラドンは地面から出てくる放射性ガスで、地下室では有害になるまでの量がたまる可能性があります。
肺がんにはどのような症状がありますか?
症状は、しばらくの間現れないかもしれません。ほかの病気を調べるために胸部のX線検査を行っているときに、医師が偶然肺がんを見つけることがあります。
肺がんによる症状がみられるとすれば、それはふつう次のようなものです:
せき
ふつうはたんが出ないせきですが、たんが出るせきの場合もあります。せきといっしょに筋状の血をはくこともあります。せきはひどくないかもしれませんが、かぜのせきのようになくなることはありません。
がんが大きくなると、次のような症状が現れることがあります:
おなかが減らない
体重が減る
体に力が入らず、疲れを感じる
胸が痛い
肺がんによって死んでしまうことも多く、特に早くみつけないとそうなります。
医師はどのようにして、私が肺がんかどうかを判断しますか?
医師はあなたの症状から、あなたが肺がんではないかと疑います。確かめるために、次の方法で肺の写真をとります:
写真でがんのように見えるものがあれば、医師は生検を行います。生検では、検査に送るために、肺から組織のサンプルを取ります。組織のサンプルを取る方法はいくつかあります:
気管支鏡検査(最もよく行われる):医師は、先端に小さな組織片を取り出すことができる器具がついているやわらかい管を用いて肺を見ます。
針生検:気管支鏡検査でその場所までたどり着けない場合は、皮膚から胸に針をさしてサンプルを取ることがあります。
手術(まれに):上の2つの方法がうまくいかなければ、医師は開胸手術を行ってサンプルを取ることがあります。
生検のサンプルを顕微鏡で観察することで、医師はあなたにがんがあるかどうかが分かります。がんである場合は、がんの種類が分かります。
がんが転移しているかどうかを医師はどのように判断できますか?
どのような人が肺がんのスクリーニング検査を受けるべきですか?
症状が何もない場合は、あなたが肺がんにかかる危険性が高い場合にのみ、肺がんの検査を受けましょう。危険性が高くなるのは次のような場合です:
長い間タバコを吸っていて、かつ
年齢が中年以上のとき
医師はふつう、危険性が高い人に対して胸部のCT検査を行います。そうでない人に検査をしても、死んでしまう人の数を減らす効果はないようです。
医師は肺がんをどのように治療しますか?
肺がんはどうすれば予防できますか?
肺がんを予防するには、次の方法があります。
禁煙する
タバコを吸う人から遠ざかる
がんを引き起こすことが分かっている物質を避ける