心臓とはどのような臓器ですか？
心臓は、筋肉でできた、中が空洞になっている臓器です。心臓と血管をあわせて、心血管系といいます。
心臓は血管を通して血液を送り出しています。
血液は酸素と栄養を全身に運びます。
心臓は、生きている間ずっと鼓動していなければならず、決して休むことはありません。
心臓は、1分間におよそ70回鼓動して、約4リットルの血液を送り出します。体を動かしているときは、より多くの酸素が必要で、心臓はふつうより速く鼓動して、多くの血液を送り出します。脈を調べるときは、心拍数、つまり1分間に心臓が鼓動する回数をはかります。
体を流れる血液は、酸素と栄養を組織や臓器に運びます。それらの組織や臓器から出た老廃物は、血液によって肺や腎臓に運ばれ、そこで体の外に出されます。
心臓はどのように働いていますか？
心臓は血液を送り出すポンプです。実際には、心臓の右側と左側にある2つのポンプが、たがいにつながっています。
右側のポンプは、全身から血液を受け取って、肺に送り出し、そこで血液に酸素が取りこまれます。
左側のポンプは、酸素でいっぱいになった血液を肺から受け取って、それを全身に送り出します。
血液を送り出すために、心臓には次のものがあります：
血液が流れて通る4つの空間（部屋）
血液が正しい方向に流れるようにするための4つの弁
心臓の筋肉に縮むタイミングを教える電気系統
心臓の筋肉に栄養を届けるための血管
心臓の内部
図中の矢印は、正常な状態で血液が流れる方向を示しています。 |
心腔とは何ですか？
心臓には4つの部屋があり、2つは右側に、もう2つは左側にあります。それらの心臓の部屋は、広がって血液を取りこみ、縮まって血液を送り出します。
上側の2つの部屋（右心房と左心房）は、心臓に血液を取りこみます。
下側の2つの部屋（右心室と左心室）は、血液を送り出します。
心臓弁とは何ですか？
心臓には、血液の流れを調節する4つの弁があります。弁が開くと、血液が1つの部屋から次の部屋や血管に送り出されます。弁は、血液が逆戻りしてまちがった部屋に流れないように閉じます。
人の胸に耳をあてて心拍を聞くと、心臓の弁が開いたり閉じたりする音が聞こえます。
心臓の電気刺激伝導系とは何ですか？
心臓はつねに、時計がカチカチと音を立てるように、一定のリズムで動いていなければいけません。
心臓のリズムは、心臓にあるペースメーカー細胞によって調節されています。
ペースメーカー細胞は、規則的な電気信号を出すことで、心臓の筋肉を収縮させます。
この信号は刺激伝導系という組織を通して送られます。
心臓の洞房結節という部分には、特別なペースメーカー細胞があります。このペースメーカー細胞には、毎分60～100回の信号を送り出す自然なリズムがあります。脳からの神経は、この細胞にペースを上げたり下げたりするように指示を送ることができます。
心臓の刺激伝導系には、電気ケーブルのような組織の細い束が何本か通っています。刺激伝導系は、ペースメーカーの信号を心臓のほかの部分に伝えています。刺激伝導系には、房室結節という出入口があります。房室結節は、心臓の上側にある心腔（心房）から下側にある心腔（心室）に送られる信号をコントロールしています。刺激伝導系が正しく働いていれば、信号が正しいタイミングでそれぞれの心臓の筋肉に届きます。そうすれば、心臓は血液を正しく送り出せるだけの力強い鼓動をします。
心臓にはどうして血管が必要なのですか？
すべての筋肉と同じように、心臓もまた、血液がたえず供給されていないと、働くことができません。心臓の中は血液で満たされていますので、それとは別に血液を供給する必要はないと考えるかもしれません。しかし、心臓を通って送り出される血液では、心臓の筋肉に栄養を送り届けることができません。そのかわりに、心臓の筋肉には、別の血管から栄養が送られています。
その心臓の血管を冠動脈といいます。
