腹部大動脈瘤とはどのような病気ですか?
大動脈は、血液を心臓から体全体に送り出している太い血管(動脈)です。動脈瘤とは、動脈の壁にできた、ふくらみのことです。腹部大動脈瘤は、大動脈のうち腹部を通っている部分がふくらんだものです。
動脈瘤があると、腹部にドクドクと脈打つような感覚がすることがあります。
動脈瘤が大きい場合や、大きくなっている場合は、破裂しないようにするための手術が必要になります。
動脈瘤が破裂すると、血液が流れ出して、ひどい痛みが起き、血圧が下がります。
もし動脈瘤が破裂したら、手術を受けないと、死んでしまいます。
定期的な診察や、ほかの理由で行われた画像検査(X線検査やCT検査など)で、たまたま動脈瘤が見つかることもよくあります。
次のことがらに当てはまる場合、あなたは腹部大動脈瘤になる可能性がほかの人より高いです:
性別が男性
年齢が50~80才
家族の中にこの病気になった人がいる
血圧が高い
タバコを吸っている
腹部大動脈瘤の原因は何ですか?
腹部大動脈瘤にはどのような症状がありますか?
多くの人では、症状が現れません。
腹部大動脈瘤には次のような症状があります:
腹部のドクドクと脈打つような感覚
けがをしていないのに、背中に強い痛みを感じる
動脈瘤が破裂すると、次のような症状が起きます:
腹部の下の方と腰の激しい痛み
動脈瘤がある部分をさわると痛い
突然、血圧が危険なレベルまで下がる(ショック)
もし動脈瘤が破裂したら、治療を受けないと、死んでしまいます。
医師はどのようにして、私が腹部大動脈瘤かどうかを判断しますか?
医師は腹部大動脈瘤をどのように治療しますか?
医師は、およそ3~6カ月ごとに動脈瘤の大きさを確認します。
もし動脈瘤のはばが約5センチメートルより短ければ、医師はあなたに次のことを指示することがあります:
タバコを吸わない
血圧の薬を飲む
動脈瘤が大きい場合は、手術が必要になります。
手術
医師は、大動脈の中にチューブ(グラフト)を入れて、動脈瘤がある部分を修理する手術をすることがあります。この手術には2つの方法があります。お腹を開いてグラフトを入れる方法と、太ももにある動脈を通して、大動脈の中にグラフトを入れる方法です。どちらの手術にするかは、あなたの年齢と健康状態、そして動脈瘤が大動脈のどこにあるかで決まります。
動脈瘤が破裂した場合や、今にも破裂しそうな場合は、緊急手術をすることで、命を救えるかもしれません。手術をしなければ、あなたは死んでしまいます。