補体欠損症

疾患

遺伝形式

臨床所見

C1

常染色体潜性(劣性)

SLE

C2

常染色体潜性(劣性)

SLE,幼児期に始まる莢膜を有する細菌(特に肺炎球菌)による反復性の化膿性感染症,他の自己免疫疾患(例,糸球体腎炎,自己免疫性筋炎血管炎IgA血管炎ホジキンリンパ腫

C3

常染色体潜性(劣性)

出生時に始まる莢膜を有する細菌による反復性の化膿性感染症,糸球体腎炎,他の抗原抗体複合体疾患,敗血症

C4

常染色体潜性(劣性)

SLE,他の自己免疫疾患(例,IgA腎症全身性強皮症IgA血管炎,1型糖尿病,自己免疫性肝炎)

C5,C6,C7,C8,C9(膜侵襲複合体)

常染色体潜性(劣性)

反復性の髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)感染症および播種性淋菌(N. gonorrhoeae)感染症

MBL経路における補体欠損

MBL

常染色体潜性(劣性)

出生時に始まる莢膜を有する細菌による反復性の化膿性感染症;原因不明の敗血症;コルチコステロイド使用,嚢胞性線維症,または慢性肺疾患による続発性免疫不全症における感染の重症度増加

MASP-2

不明

自己免疫疾患(例,炎症性腸疾患多形紅斑),莢膜を有する細菌(例,肺炎球菌[Streptococcus pneumoniae])による反復性の化膿性感染症

副経路における補体欠損

B因子

常染色体潜性(劣性)

化膿性感染症

D因子

常染色体

化膿性感染症

プロパージン

X連鎖

劇症型ナイセリア感染症のリスク上昇

補体調節タンパク質の欠損

C1インヒビター

常染色体顕性(優性)

血管性浮腫

I因子

常染色体共顕性(共優性)

C3欠損症と同じ

H因子

常染色体共顕性(共優性)

C3欠損症と同じ

溶血性尿毒症症候群

崩壊促進因子

常染色体潜性(劣性)

発作性夜間ヘモグロビン尿症

補体受容体(CR)の欠損

CR1

後天性

免疫(抗原抗体)複合体が介在する疾患における二次所見

CR3

常染色体潜性(劣性)

白血球接着不全症(反復性の黄色ブドウ球菌[Staphylococcus aureus]および緑膿菌[Pseudomonas aeruginosa]による感染症)

C = 補体;MASP = mannose-binding lectin-associated serine protease;MBL = マンノース結合レクチン;SLE = 全身性エリテマトーデス。

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