薬剤性肺障害

執筆者:Joyce Lee, MD, MAS, University of Colorado School of Medicine
レビュー/改訂 2023年 7月
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薬剤性肺障害は,単一の疾患というよりもむしろ臨床全般に及ぶ問題であり,肺疾患の既往がない患者が薬物療法または違法薬物の使用に関連して,呼吸器症状,胸部X線の変化,肺機能の悪化,組織学的変化,またはこれらのうち複数の組合せを発現する病態である。ここでは「薬物」という語を用いて,この障害を引き起こす可能性のある薬物および違法薬物を含めている。150を超える薬物やその種類が肺疾患を引き起こすことが報告されている;その機序はあまり分かっていないが,多くの薬物が過敏反応を引き起こすと考えられている。薬剤の中には,患者によって異なる傷害パターンを引き起こすものもある(例,ニトロフラントイン)。

薬物によって異なるが,薬剤性の症候群は,間質の線維化,器質化肺炎,喘息,非心原性肺水腫,胸水肺好酸球増多症肺出血,または肺静脈閉塞症を引き起こしうる(肺毒性をもつ物質の表を参照)。

間質性肺疾患の概要も参照のこと。)

表&コラム
表&コラム

被疑薬の中止に対する反応,および可能であれば投与再開に対する反応を観察し,それに基づいて診断する。

薬剤性肺障害の治療

  • 薬剤の投与中止

治療は肺疾患を引き起こしている薬剤の投与中止である。

薬剤性肺障害の予防

肺機能検査によるスクリーニングは,肺毒性のある薬物の投与を開始する患者またはすでに投与を受けている患者で一般的に行われるが,毒性の予測または早期検出に対するスクリーニングの有益性は証明されていない。

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