骨盤位娩出術

まず,頭より先に殿部が産道に出てくることで骨盤位を認識します。単殿位や複殿位であっても,熟練した術者であれば,場合により分娩が可能です。通常の分娩に使用する布や手術用タオル,その他の器具を用意し,経腟分娩が不成功に終わった場合に備えておきます。

これは単殿位です。

これは複殿位です。

これは不全複殿位です。

臍まではいきみだけで娩出させます。ここまでは,できれば児に触れないようにします。臍帯圧迫と場合により減速があることを予期しておきます。

下肢を娩出するには,大腿内側を押さえて大腿骨と平行にし,太腿を外側に振るようにして娩出します。対側の下肢も同様にします。

児をタオルでくるみ,母指以外の指を上前腸骨棘に,母指を仙骨に添えます。

子宮収縮中に母親のいきみに加勢するように愛護的に牽引することで,肩甲骨まで娩出させます。

片方の肩が前方に来るように,児の体を左右どちらかに回転させます。前方の腕を,胸部前面を横切る形で振るようにして娩出します。児の体を左右どちらかに180度回転させます。前方に来た対側の腕を同じように娩出します。タオルを引き上げて両腕をくるみ,背中が前方に来るように回転させます。

頭部を娩出するには,片手の示指と中指を児の上顎に置いて児頭を屈曲させ,このように体幹を手掌と前腕に載せる形にします。対側の手の2本の指を首にかけ,肩を把持し,愛護的に下に牽引します。助手に恥骨の上から圧をかけさせ,屈曲を維持したまま児頭を娩出します。

Procedure by Will Stone, MD, and Kate Leonard, MD, Walter Reed National Military Medical Center Residency in Obstetrics and Gynecology; and Shad Deering, COL, MD, Chair, Department of Obstetrics and Gynecology, Uniformed Services University. Assisted by Elizabeth N. Weissbrod, MA, CMI, Eric Wilson, 2LT, and Jamie Bradshaw at the Val G. Hemming Simulation Center at the Uniformed Services University.

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