転倒リスクを高める障害物の自宅評価チェックリスト

場所

障害

改善

根拠

一般

照明

暗すぎる

全ての場所に十分な照明器具を設置する

視力およびコントラスト感度を改善する

直接当たりすぎて,目がくらむ

均等に配置した照明,間接照明,または半透明のシェードによりまぶしさを軽減する

視力およびコントラスト感度を改善する

照明のスイッチに手が届かない

常夜灯またはタッチ式照明を設置する

入室時にすぐに手が届くスイッチ,または動きを検知して照明を点灯させるセンサーを設置する

暗い室内でつまずくか,または見えないものにぶつかるリスクを低減する

カーペット,敷物,リノリウム

破れている

破れたカーペットを修理するか,または取り替える

特に足の踏み出しが困難な場合に,つまずリスクおよび滑るリスクを低減する

滑りやすい

裏面に滑り止め加工が施された敷物を設置する

滑るリスクを低減する

縁が丸まっている

丸まらないように,敷物またはリノリウムを鋲かテープで留める

敷物またはリノリウムを取り替える

つまずくリスクを低減する

椅子,テーブル,その他の家具

不安定である

テーブルの端または椅子の肘掛けおよび背もたれに寄り掛かっている人の体重を支持できるような安定した家具を設置する

車輪付きの椅子または回転椅子を使用しない

ゆるんだ脚部を修理する

平衡感覚障害がある場合に,支持物を増やし,移動を助ける

肘掛けのない椅子

起立時または着席時にてこになるように前方に長い肘掛けのある椅子を設置する

近位筋の筋力低下がある場合に有用で,移動を助ける

通路がふさがっている

通路がふさがらないように家具を配置する

廊下に散らかっているものを取り除く

特に周辺視野が損なわれている場合に,つまずいたり,または何かにぶつかったりするリスクを低減し,自宅でより簡単かつ安全に移動できるようにする

ワイヤーおよびコード

通路に露出している

床より上に鋲で留めるか,または床被覆材の下を通す

つまずくリスクを低減する

台所

戸棚,棚

高すぎる

使用頻度が高いものは腰の高さに保管する

棚および食器棚を手の届く高さに設置する

しばしば手を伸ばしたり,またはハシゴもしくは椅子に上ったりすることによる転倒のリスクを低減する

濡れているか,またはワックスがかけられている

流し台付近の床にゴムマットを敷く

台所ではゴム底の靴を履く

滑らないワックスを使用する

特に歩行障害がある場合に,滑るリスクを低減する

浴室

浴槽またはシャワー室

滑りやすい浴槽またはシャワー室の床

滑り止めテープまたはゴムマットを設置する

シャワーシューズまたは入浴用椅子(平衡感覚障害がある場合に,座った状態でシャワーを浴びることができる)を使用する

濡れた浴槽またはシャワー室の床で滑るリスクを低減する

体を支えるため,または移動のために浴槽の側面を利用する必要がある

シャワー室に手すりを設置する

浴槽の側面に移動式手すりを設置する

旅行時に手すりを携帯する

移動を助ける

タオル掛け,洗面台の天板

トイレ,浴槽,またはシャワー室からの移動時に支えとして使用するには不安定である

手すりを壁の中の間柱に固定する

移動を助ける

便座

低すぎる

高くした便座を使用する

トイレに座ったり立ち上がったりするときの助けとなる

ドア

鍵がかかる

浴室のドアから錠を取り外すか,またはドアの両側から開くことができる錠を使用する

転倒した場合に他の人が入れるようにする

階段

高さ

蹴上が高すぎる

蹴上を15cm未満に修正する

特に足の踏み出しが困難な場合に,つまずくリスクを低減する

手すり

設置されていない

階段の両側に手すりを設置し,しっかり固定する

壁から2.5~5cmの距離に円筒形の手すりを設置し使用する

支持物となり,どちらの手でも手すりをつかめるようにする

短すぎ,手すりの端が不明確である

最上段および最下段より長くし,両端部を内側に曲げる

最上段または最下段に到着したことが分かる

形状

勾配がきつすぎる,または長すぎる

可能であれば階段に踊り場を設ける,または階段に踊り場のある住居を選ぶ。

特に心疾患または肺疾患がある場合に,休憩場所となる

状態

滑りやすい

全ての階段面に滑り止め加工が施された踏面をしっかりつける

滑らないようにする

照明

不十分である

階段の上階側と下階側の両方に十分な照明器具を設置する

常夜灯を設置するか,または鮮やかな色の粘着テープを貼って,階段面をはっきり示す

特に視覚障害または知覚障害がある場合に,階段面の位置を分かりやすくする

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