疣贅の亜型およびその他のHPV関連病変

臨床型

ヒトパピローマウイルスの型

説明

ボーエン様丘疹症*

16, 55

外陰および陰茎に生じる扁平で褐色の疣状丘疹

Buschke-Löwenstein腫瘍

6

肛門性器部の表面に生じるカリフラワー様の大きな腫瘍

Butcher’s wart(meat handler’s wart)

7

よくみられる疣贅で,通常は良性であり,食肉業従事者の手に生じる

一般的な疣贅よりもカリフラワー様の外観となることが多い

尋常性疣贅

1,2, 4, 7, 75~77

境界明瞭かつ表面粗造で,淡灰色,黄色,褐色,または灰黒色の円形または不整形の硬い結節であり,大きさは直径2~10mm

疣贅状表皮発育異常症

3, 5, 8, 9, 10, 12, 14, 15, 17, 19, 20, 21~25, 36~39, 47, 49

平坦に隆起した白色,褐色,もしくは赤色の丘疹,またはより高く隆起した大きな丘疹で,脂漏性角化症に類似する

まれな遺伝的素因であり,広範なHPV感染症と早ければ20歳代での皮膚がん有棘細胞癌など)の発生頻度が高まる

外性器疣贅(尖圭コンジローマ

6および11(最も頻度が高い),ならびに1a,2,4,7,16,18,27b,27,33,38,40,42,43,44,54,57b,57c,61,65,72,81,89†

会陰,肛門周囲,陰唇,および陰茎部に散在性に生じる平坦から広基性かつ平滑からビロード状の丘疹と粗造な有茎性の突出物

扁平疣贅

3, 10, 26~29, 41

平坦に隆起した黄褐色,ピンク色,または皮膚常色の平滑な丘疹

ケラトアカントーマ

77

高分化型有棘細胞癌の一種と考えられている

喉頭乳頭腫

6, 11

喉頭または気道内の他の部位に現れる単一または複数の疣贅様病変

小児では再発性呼吸器乳頭腫症(recurrent respiratory papillomatosis)と呼ばれる

Oral focal epithelial hyperplasia(Heck病)

13, 32

口腔粘膜に平坦に隆起した青白い敷石の状丘疹が多発する

口腔乳頭腫

2, 6, 7, 11, 16, 18, 32, 57

口腔内のあらゆる部位に現れる一般的な無痛性の病変

中咽頭癌

16(主に), 18

舌,扁桃,軟口蓋,または咽頭壁が侵される

手掌および足底疣贅

1, 2, 4

しばしば圧痛を伴い,足底疣贅により歩行および起立動作時に不快感が生じることがある

爪囲疣贅

1, 2, 4, 7‡

爪甲周囲の皮膚に肥厚,亀裂,およびカリフラワー様の外観がみられ,通常は無症状であるが,大きくなるにつれて痛みを伴うようになることがある

腎移植患者の疣贅

75~77

しばしば多発して治療困難となる

HPVに関連した粘膜および肛門性器癌

16および18(最も多い),ならびに31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,66,68

様々な臨床像(肛門癌子宮頸癌陰茎癌腟がん外陰がんを参照)

*罹患した女性および患者の女性パートナーは,子宮頸癌について頻回に評価を受けるべきである。

Al-Awadhi R, Al-Mutairi N, Albatineh AN, Chehadeh W: Association of HPV genotypes with external anogenital warts: A cross sectional study.BMC Infect Dis 19(1):375, 2019.doi: 10.1186/s12879-019-4005-4

‡ 尋常性疣贅を引き起こす亜型が原因であることが最も多い。

HPV = ヒトパピローマウイルス。

Some data adapted from Cubie HA: Diseases associated with human papillomavirus infection.Virology 445(1-2):21–34, 2013.doi: 10.1016/j.virol.2013.06.007

関連するトピック