激越した患者または暴力的な患者に対する薬物療法

薬剤

用法・用量

備考

アリピプラゾール

9.75mg,筋注(9.75mgの投与を2時間毎に繰り返してもよい[最大30mg/日];高齢者または小柄な患者では5.25mg)

血漿中濃度を低下(カルバマゼピン)または上昇(フルオキセチン,パロキセチン)させる薬剤を服用している患者では,アリピプラゾールに対する反応をモニタリングすべきである。

ハロペリドール

1~10mg,経口,筋注(三角筋),または必要に応じて静注,1時間毎(軽度の激越およびフレイルまたは高齢患者には1~2.5mg;中等度の激越には2.5~5mg;重度の激越には5~10mg)

ハロペリドールは通常,精神症が明らかな場合にのみ必要となる。一部の物質の中毒(例,フェンシクリジンによる)を悪化させ,ジストニアを引き起こす可能性がある。

経口投与が可能な場合は,吸収の速い濃縮液を使用してもよい。

呼吸抑制は生じない。

ロラゼパム

0.5~2mg,10~30分毎,筋注(三角筋)または必要に応じて静注

筋注では吸収が不安定となることがあるため,静注が望ましい。

呼吸抑制の可能性がある。【訳注:2018年時点,本邦では注射薬は使用できない】

ミダゾラム

2.5~5mg,3~5分毎,静注または必要に応じて5~10分毎,筋注(三角筋)

筋注では吸収が不安定となることがあるため,静注が望ましい。

呼吸抑制の可能性がある。

オランザピン

10mg,筋注(10mgを20分毎に2回反復投与してよい[最大:30mg/日])

5mgを静脈内投与する臨床医もいる。

ジプラシドン

10~20mg,筋注(10mgを2時間毎または20mgを4時間毎に反復投与してよいが,最大用量は40mg/日)

心電図モニタリングが必要になることもある。

カルバマゼピンおよびケトコナゾールとの併用は避けるべきである。【訳注:2018年時点,本邦では注射薬も経口薬も使用できない】