浸透度および表現度

遺伝子型がどのように表現型に変換されるかは,浸透度と表現度に依存する。

浸透度(penetrance)とは,遺伝子が発現するかどうかを指す。すなわち,あるアレルを有する個人のうち,どれだけの割合でその遺伝子に関連する形質が認められるかを指す。浸透度は完全(100%)な場合もあれば,不完全(例,半数が形質を示す場合は50%)な場合もある。

浸透度および表現度

表現度(expressivity)は,ある個人において形質がどの程度の影響を及ぼしているか,あるいは形質の複数ある特徴のうちいくつが出現しているかを規定するものである。これは完全な場合もあれば,最小限の場合,あるいは全くみられない場合もある。表現度には,遺伝子構成,有害物質への曝露,その他の環境的影響,年齢など,様々な因子が影響を及ぼしうる。

浸透度と表現度はいずれも変動する:あるアレルを有する集団でも,その形質を示す個人と示さない個人があり,また形質を示す個人の中でも,どの程度まで発現するかは一様でない場合がある。

浸透度および表現度