従来型抗精神病薬

薬物

1日量(範囲)*

成人における常用量

備考

クロルプロマジン†,‡

30~800mg

400mg,経口,就寝時

プロトタイプの低力価薬,第1世代抗精神病薬

肛門坐剤もあり

チオリダジン‡

150~800mg

400mg,経口,就寝時

高用量で色素性網膜症を引き起こし,また有意な抗コリン作用をもつため,絶対的な最大量(800mg/日)が設定されている唯一の薬剤である

QTc延長に関する警告が表示に追加された

トリフロペラジン†,‡

2~40mg

10mg,経口,就寝時

フルフェナジン†,‡

0.5~40mg

7.5mg,経口,就寝時

デカン酸フルフェナジンおよびエナント酸フルフェナジンとしても使用でき,これらは筋注用のデポ剤である(等価用量は不明)

ペルフェナジン†,‡

12~64mg

16mg,経口,就寝時

ロキサピン(loxapine)

20~250mg

60mg,経口,就寝時

ドパミンD2受容体とセロトニン(5-HT2)受容体に対して親和性を有する

モリンドン(molindone)

15~225mg

60mg,経口,就寝時

体重減少に関連する可能性がある

チオチキセン†,‡

8~60mg

10mg,経口,就寝時

アカシジアの発生率が高い

ハロペリドール†,‡

1~15mg

8mg,経口,就寝時

プロトタイプの高力価薬

デカン酸ハロペリドールは筋注用のデポ剤として使用できる

アカシジアとその他のEPSがよくみられる

ピモジド【訳注:日本では販売中止】

1~10mg

3mg,経口,就寝時

トゥレット症候群に対してのみ承認されている

*従来型抗精神病薬に対して現在推奨されている用法・用量は,表示された値のうち低用量から開始し,単回投与量まで漸増するというもので,就寝時の投与が推奨されている。急速に増量した方が効果が高くなるとしたエビデンスはない。

†これらの薬剤には急性期治療用の筋注製剤がある。

‡これらの薬剤には経口濃縮液がある。

EPS = 錐体外路症状; QTc = 心拍数で補正したQT間隔。

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