局所的放射線障害*

被曝組織

有害作用

頭蓋放射線療法および神経毒性を参照のこと

心臓および血管

胸痛,放射線心膜炎,放射線心筋炎

皮膚

線量2~4Gy:一過性紅斑

線量4~5Gy:一過性紅斑,一時的な脱毛(約4Gyを超える被曝から2~3週間以内)

線量5~10Gy:持続性紅斑,永久的となる可能性のある脱毛,乾燥性落屑(範囲上限の線量を被曝した場合)

線量10~15Gy:乾燥性落屑(被曝から2~8週間以内)

線量15~20Gy:湿性落屑(被曝から2~4週間以内)

線量15~25Gy:水疱形成(被曝から2~3週間以内)

線量 > 20Gy:潰瘍(被曝から2~3週間以内)

線量 > 25Gy:壊死(被曝から3週以降)

性腺

精子形成能低下,無月経,性欲減退

不妊の閾線量(発生率約1%):

  • 精巣:> 6Gy,発症は約3週間

  • 卵巣:> 3Gy,発症は1週間以内

頭頸部

粘膜炎,嚥下痛,甲状腺癌

筋肉および骨

ミオパチー,腫瘍性変化,骨肉腫

線量 > 約0.5Gy:白内障(約20年間の潜伏期間後;線量が高いほど,また被曝時の年齢が若いほど,潜伏期間が短い)

急性肺炎

30Gyを超える分割被曝:ときに致死的(LD50:約10Gy以上の単回高線量被曝)

肺線維症

腎臓

GFR低下,尿細管機能低下

高線量(6カ月~1年の潜伏期間後):タンパク尿,腎機能不全,貧血,高血圧

累積線量が5週間以内に20Gyを超える:放射線線維症,乏尿性腎不全

脊髄

線量 > 50Gy:脊髄症

胎児

発育不全,先天性形成異常,先天性代謝異常,胎児死亡

線量 < 0.1Gy:重大な影響なし

小児の被曝と同程度の将来のがんリスク:1Gy当たり約10~15%

GFR = 糸球体濾過量;Gy = グレイ;LD50 = 患者の50%が死に至ると予想される線量。

*一般的には放射線療法による。

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