咬傷に対する抗菌薬

薬剤

用量

備考

ヒトおよびイヌ咬傷

アモキシシリン/クラブラン酸

500~875mg,経口,1日2回

外来患者に対して

予防:3日間投与

治療:5~7日間投与

アンピシリン/スルバクタム

1.5~3.0g,静注,6時間毎

入院患者に対して

α溶血性レンサ球菌,黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus),およびEikenella corrodensに対して効果的

トリメトプリム/スルファメトキサゾール

に加えて

160/800mg,静注,12時間毎

ペニシリンアレルギーの患者に対して(小児では体重に応じた用量)

クリンダマイシン

150~300mg,静注,6時間毎

ドキシサイクリン

100mg,経口または静注,12時間毎

8歳未満の小児および妊婦を除く,ペニシリンアレルギーのある患者のイヌ咬傷に対する代替薬

クリンダマイシン

に加えて

150~300mg,経口または静注,6時間毎

成人におけるイヌ咬傷に対する代替薬

フルオロキノロン系薬剤(例,シプロフロキサシン)

500mg,経口,12時間毎(シプロフロキサシン)

ネコ咬傷*

フルオロキノロン系薬剤(例,シプロフロキサシン)

500mg,経口,1日2回,5~7日間

成人における予防および治療用

P. multocida†に対して効果的

クラリスロマイシン

500mg,経口,1日2回,7~10日間

小児における代替薬

クリンダマイシン

150~300mg,経口,1日4回,7~10日間

小児における代替薬

サル咬傷‡

アシクロビル

800mg,静注,1日5回,14日間

予防として

*リス,スナネズミ,ウサギ,およびモルモットによる咬傷が感染を来すことはまれであるが,感染が生じた際は,感染を伴うネコ咬傷の治療に使用されるものと同じ薬剤で治療できる。

Bartonella henselae Professional. ネコひっかき病)もネコ咬傷により伝播する。

‡感染を伴うサル咬傷の治療には,感染を伴うヒト咬傷およびイヌ咬傷で使用するものと同様の抗生薬を使用する。