アニサキス(Anisakis)の生活環
1.アニサキス(Anisakis)の成虫は海洋哺乳類の胃内に生息する。成虫は群れとなって,粘膜に埋まっている。雌の成虫は未成熟卵を産み,それらが海洋哺乳類の便中に排出される。
2a.この虫卵は水中で幼虫包蔵卵となり,その内部では第1期幼虫が形成され,次いで第2期幼虫となる。
2b.幼虫は虫卵から孵化すると自由遊泳性の幼虫になる。
3.自由遊泳性の幼虫が甲殻類に摂取される。幼虫は第3期幼虫に発育し,腸管から腹腔内組織に移行する。
4.宿主が魚またはイカに食べられると,幼虫は筋組織に移行し,捕食によって魚から魚へと伝播する。
5.ヒトまたは海洋哺乳類への感染力を有する第3期幼虫は,魚またはイカに寄生している。
6.こうした魚またはイカが海洋哺乳類に摂取されると,幼虫は成虫に発育する。雌の成虫が卵を産み,それらが海洋哺乳類により放出される。
7.ヒトは,感染した海水魚を生または加熱調理不十分な状態で摂取することで感染する。摂取されると,幼虫は胃および腸管の粘膜から体内に侵入し,症状を引き起こす。
Image from the Centers of Disease Control and Prevention, Global Health, Division of Parasitic Diseases and Malaria.
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