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心身医学の一種である催眠療法は,西洋医学の精神療法に由来する。健康状態改善の一助とするために,患者を深い弛緩と集中の状態に導く。患者は没入していき,意識は失わないが,周囲の状況や生じている体験には比較的注意が向かなくなる。自己催眠を行えるようになる患者もいる。
(統合・補完・代替医療の概要も参照のこと。)
催眠療法の用法
催眠療法は疼痛症候群,更年期症状,恐怖症や変換症の治療に用いられており,また禁煙および減量の管理で多少の効果が認められている。成人や小児において,医療処置の際の痛みや不安を和らげることができる。過敏性腸症候群,頭痛,喘息および一部の皮膚疾患(例,疣贅,乾癬)の治療に有用である可能性がある。血圧を低下させるのに役立つ可能性がある。
催眠療法は,化学療法に関連する悪心や嘔吐(特に予測性)の抑制およびがんの緩和ケアにおいて有用である。がんまたは慢性疼痛を有し,催眠療法およびその効果を受け入れる患者では,不安および生活の質に改善がみられる可能性が高いことを示唆するエビデンスがある(1)。
参考文献
1.Thompson T, Terhune DB, Oram C, et al: The effectiveness of hypnosis for pain relief: a systematic review and meta-analysis of 85 controlled experimental trials.Neurosci Biobehav Rev 99:298-310, 2019.doi: 10.1016/j.neubiorev.2019.02.013
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