ホーリーバジル(Ocimum tenuiflorum)は,インド亜大陸原産の多年草植物であり,トゥルシーとしても知られている。料理に広く使用される植物であるスイートバジルの近縁種である。
(栄養補助食品の概要も参照のこと。)
効能
ホーリーバジルは,ストレスに対する身体の反応を助け,正常な機能を回復させると考えられていることを意味するアダプトゲンの一種と考えられている。ホーリーバジルは以下の目的で使用される:
不安やストレスを軽減する
糖尿病患者の血糖値を低下させる
コレステロール値を下げる
細菌およびウイルス感染を予防する
創傷治癒を促進する
炎症を軽減する
最長で8週間のホーリーバジルの経口摂取は,大半の人にとって安全であるとみられる。ホーリーバジルを8週間を超えて摂取した場合の安全性はまだ研究されいない。
エビデンス
ホーリーバジルが何らかの病態の治療に効果的であることを実証した,ヒトを対象とした質の高い研究はない。小規模研究では,2型糖尿病患者において空腹時と食後血糖値の改善およびヘモグロビンA1C低下のいくつかのエビデンスが示されている。
有害作用
ホーリーバジルには悪心や下痢などの有害作用がある。
ホーリーバジルは,妊娠中または妊娠を試みている女性が摂取するには安全でない可能性がある。動物試験では,ホーリーバジルの大量摂取は,受精卵が子宮に着床する可能性および妊娠が満期まで継続する可能性を低下させた。これらの影響がヒトで起こるかどうかは不明である。授乳中の女性におけるホーリーバジルの安全性は研究されていない。
ホーリーバジルは甲状腺ホルモンであるサイロキシンの値を低下させ,甲状腺機能低下症を悪化させる可能性がある。
ホーリーバジルは血液凝固を遅らせる可能性があるため,術中および術後の出血リスクが高まることがある。
薬物相互作用
ホーリーバジルは甲状腺ホルモン製剤の効力を低下させることがある。
ホーリーバジルには血液凝固を遅らせる作用があり,抗血小板薬または抗凝固薬を服用している患者において出血のリスクを高める可能性がある。動物試験データによると,ホーリーバジルはバルビツール酸系薬剤の鎮静作用を増強させる可能性もある。
(栄養補助食品と薬物の間で起こりうる相互作用の表も参照のこと。)