歯牙萌出

執筆者:Christopher P. Raab, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University
レビュー/改訂 2019年 5月
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    歯牙萌出とは,歯肉から歯が生えてくる過程である。

    通常,最初の歯は生後6カ月までに生え,2歳半までに20本の乳歯が完全に生えそろう。

    乳児は歯が萌出する前に,泣く,むずかる,睡眠と摂食が不良になることがある。歯牙萌出の間は,流涎,歯肉の発赤と圧痛がみられ,おもちゃおよびベビーベッドの柵など物体を常に嚙むことがある。歯の萌出により発熱は起こらない。

    表&コラム

    発熱がみられる小児で中でもむずかる小児は,このような症状は歯牙萌出によっては起こらないため,ウイルス感染症または細菌感染症の評価を受けるべきである。

    歯牙萌出中の乳児には,固い物(例,歯固めビスケット)または冷たい物(例,固いゴム製またはゲルを含む輪形のおしゃぶり)を嚙ませると多少落ち着く。氷を使う,または使わない歯肉マッサージが有用なことがある。体重に基づく投薬量のアセトアミノフェンまたはイブプロフェンで処置することもある。

    ティーシングジェルは他の方法より効果があるわけではなく,ベンゾカインを含むものもあることから推奨されない。ベンゾカインは,まれにメトヘモグロビン血症を引き起こしうる。

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