避妊法の概要

執筆者:Frances E. Casey, MD, MPH, Virginia Commonwealth University Medical Center
レビュー/改訂 2023年 7月
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    妊娠する,避妊する,または妊娠を中絶するという決定は,個人的,医学的,家族的,社会経済的要因などの多くの因子により影響されうる。

    避妊法によって一時的に妊娠を防ぐことや,永久的な避妊(不妊手術)が可能である。中絶(妊娠を終了させる)は,避妊に失敗した場合もしくは避妊法を用いなかった場合,または妊娠中に問題が起きた場合に考慮することができる。

    米国における避妊法使用者の中で最も頻用されている方法(1)は以下のものである:

    • 経口避妊薬(OC):21%

    • 女性の永久的な避妊法(不妊手術):28%

    • 男性用コンドーム:13%

    • 男性の永久的な避妊法:9%

    • 子宮内避妊器具(IUD):13%

    • 抜去法(性交中断法):6%

    • プロゲスチン注射:3%

    • 避妊用リングまたはパッチ:2%

    • 皮下プロゲスチンインプラント:3%

    • リズム法(周期的な禁欲):3%

    • 女性によるバリア法:< 1%

    一般的な避妊法の比較の表を参照のこと。)

    妊娠率は避妊法の使用開始の最初の1年間に高く,その後は使用者がその避妊法により慣れるにつれ,低くなる傾向がある。また,女性の加齢にしたがい,妊孕性は低下する。比較すると,妊娠を試みる生殖可能なカップルの妊娠率は,避妊法を用いない場合,1年後に約85%である。

    使用開始後最初の1年での妊娠率(普通の使用の場合)は次の通りである:

    • 使用者の関与を必要としないもの(IUD,皮下プロゲスチンインプラント,不妊手術)では1%未満

    • 使用者の関与を必要とするが性交に関連しないホルモン剤による避妊法(エストロゲン-プロゲスチンOC,経皮パッチ,または腟リング;プロゲスチン単剤OC;プロゲスチン注射)では(約)6~9%

    • 性交に関連する方法(例,コンドーム,ペッサリー,リズム法,殺精子剤,抜去法)では10%超

    コンドームの使用は高い妊娠率と関連するものの,コンドーム(主にラテックス製および合成素材のコンドーム)はHIVを含む性感染症(STI)の伝播を防ぐ効果が高い。セーファーセックスの一環として,たとえ他の避妊法を用いている場合でも,コンドームを使用すべきである。

    避妊なしの性交があった場合,望まない妊娠を防ぐために緊急避妊が役立つことがある。緊急避妊は,ルーチンの避妊法として用いるべきではない。

    表&コラム
    表&コラム

    総論の参考文献

    1. 1.Centers for Disease Control and Prevention (CDC): National Center for Health Statistics: Current Contraceptive Status Among Women Aged 15–49: United States, 2017–2019.NCHS Data Brief 388, October 2020.Accessed April 16, 2023.

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