皮下インプラントによる避妊法

執筆者:Frances E. Casey, MD, MPH, Virginia Commonwealth University Medical Center
レビュー/改訂 2023年 7月
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    米国ではプロゲスチンインプラントは1種類のみが入手可能である。このインプラントはエトノゲストレル(etonogestrel)(プロゲスチン)を12カ月で平均50μg/日の割合で放出する。このインプラントには最長3年間の避妊効果がある(ただしいくつかの研究では,効果は最長5年間持続している)。

    1年目の妊娠率は,正確な使用では0.05%である;普通の使用での妊娠率は同じである。

    インプラントは長さ4cmのマッチ棒サイズのスティック状のインプラントで,トロカールを通して皮下に挿入できる;挿入部位は上腕三頭筋上であり,上腕骨内側上顆から約8~10cm,上腕二頭筋と三頭筋の間の溝の後方(下側)3~5cmの位置に挿入する。上腕二頭筋と三頭筋の間の溝は避けるべきである。皮膚切開は必要ではない。このインプラントの挿入または抜去前には,医療専門家は製造者スポンサーの3時間のトレーニングを受けなければならない。

    現在米国で使用可能なインプラントは以前に使用されていたインプラントと生物学的に同等であるが,抜去時に位置を特定しやすいように放射線が透過しないよう設計されている。また,挿入アプリケーターはより使用しやすくなり,インプラントが深く挿入されすぎる可能性が低くなっている。世界の他の国では,他の避妊用インプラントが使用可能である。

    皮下インプラントは月経周期中いつでも挿入することができる。しかしながら,過去1カ月以内に避妊なしの性交があった場合,妊娠検査陰性により,または次の月経により妊娠が確実に除外されるまで,他の避妊法を同時に用いるべきである。インプラントが月経周期の初めの5日間に挿入された場合,他の避妊法は必要ではない。この期間に挿入されない場合は,少なくとも7日間は他の避妊法を同時に用いるべきである。

    インプラントは自然流産または中絶後すぐの挿入や,授乳状況にかかわらず分娩後すぐの挿入が可能である。

    プロゲスチンインプラントに対する禁忌はほとんどなく,これらはプロゲスチン単剤経口避妊薬と同様である。

    最も頻度の高い有害作用は他のプロゲスチンと同様である(不正性器出血,無月経,頭痛)。

    インプラントの抜去は通常,インプラントの効果がなくなったときに行われ,皮膚切開を必要とする。インプラント抜去後,卵巣の働きは直ちに正常化する。

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