検査用の咽頭拭い液採取

執筆者:Vikas Mehta, MD, MPH, Montefiore Medical Center
レビュー/改訂 2023年 3月
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咽頭炎(扁桃咽頭炎)では,A群β溶血性レンサ球菌または淋菌(N. gonorrhea)による感染症を同定するために,咽頭拭い液の検査を行うことがある。

検査としては,ヒツジ血液寒天培地(GABHS)またはThayer-Martin培地(淋菌感染症)での従来の培養,迅速抗原検査(GABHS),核酸増幅検査(淋菌感染症,COVID-19)などがある。

レンサ球菌感染症も参照のこと。)

咽頭拭い液採取の適応

扁桃咽頭炎がみられる患者では,主に以下の診断のために,咽頭拭い液の検査が必要になることがある:

  • A群β溶血性レンサ球菌(GABHS)感染症

  • 淋菌感染症

淋菌への曝露(例,最近の口腔性器接触)が判明しているか,その可能性がある患者では,淋菌性咽頭炎が疑われる場合がある。

GABHSによる咽頭炎の検査の必要性を示唆する基準としては,以下のうち2つ以上が存在することなどがある:

  • 扁桃滲出物

  • 圧痛を伴うリンパ節腫脹

  • 発熱(診察時または病歴による)

  • 咳嗽がない

糖尿病または易感染状態のためにリスクが高い患者では,GABHSの検査の閾値が低くなることがある。

COVID-19が疑われる場合は,ときに咽頭拭い液も検査される。

咽頭拭い液採取の禁忌

  • なし

咽頭拭い液採取の合併症

  • なし

拭い液の採取により,短時間の軽微な咽頭反射が生じることがある。

咽頭拭い液の採取で使用する器具

  • 滅菌スワブ

  • 舌圧子

  • 光源;フレキシブルランプまたは頭部装着型の照明

具体的な検査キットとともに提供されたスワブまたは施設の検査室から提供されたスワブを使用する。提供されない場合は,軸がプラスチックまたはワイヤー製で先端がレーヨン,ダクロン,またはアルギン酸カルシウムのスワブを使用する。軸が木製のスワブや先端が綿のスワブは,これらの素材が特定の検査の妨げになる可能性があるため,使用を避ける。

咽頭拭い液採取における重要な解剖

  • 扁桃は中咽頭後壁の両側面にある。咽頭の前口蓋弓と後口蓋弓の間に位置している。

咽頭拭い液採取での体位

  • 頭部を若干後傾させた座位

咽頭拭い液採取のステップ-バイ-ステップの手順

  • 短い咽頭反射が生じるかもしれないことも含めて,患者に処置について説明する。

  • 手袋および眼の保護具を装着し,COVID-19(または他の飛沫感染症)を考慮する場合はガウン,N95マスク,およびフェイスシールドを装着する。

  • 中咽頭後壁を照らすように,患者と光源の位置を定める。

  • 患者に口を開かせ,「あー」と発声させて舌を弛緩させる。

  • 舌圧子で舌を押し下げる。

  • 両側の扁桃と咽頭後壁をスワブで愛護的に拭う。

  • スワブを培地,輸送用培地,または滅菌試験管に入れる。

咽頭拭い液採取のアフターケア

  • 検査結果についてフォローアップする。

咽頭拭い液採取の注意点とよくあるエラー

  • スワブで舌または口腔の側面に触れる

  • 咽頭の3カ所全てをぬぐっていない

咽頭拭い液採取のアドバイスとこつ

  • 咽頭反射が起きる可能性が高いため,迅速に行う。

  • 患者に舌を突出させると,実際には舌が硬くなり,咽頭が見えにくくなることがある。

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