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自然発生する(すなわち非外傷性の)口唇腫脹は通常,痛みを伴わない。そう痒は存在する場合もしない場合もある。口唇炎はときに口唇腫脹を引き起こすが,患者は疼痛を伴う炎症と病変を理由として受診するのが典型的である。
口唇腫脹それ自体は危険ではない。しかしながら,口唇腫脹の原因が血管性浮腫である場合は,同時にみられる中咽頭および/または下気道の腫脹が致死的となりうる。
口唇腫脹は急性の場合と慢性の場合がある。
急性の口唇腫脹の原因としては以下のものがある:
アレルギー反応(例,食物,薬物,口紅,空気中の刺激物質,ニッケル)
環境因子(例,寒いまたは乾燥した天候,サンバーン)
非アレルギー性の薬剤による原因(例,アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬,カルシウム拮抗薬,特定の血栓溶解薬)
遺伝性血管性浮腫
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この写真には,遺伝性血管性浮腫患者にみられる口唇の急性腫脹が写っている。
By permission of the publisher. From Joe E, Soter N. In Current Dermatologic Diagnosis and Treatment, edited by I Freedberg, IM Freedberg, and MR Sanchez.Philadelphia, Current Medicine, 2001.
口唇の血管性浮腫
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この写真にみられるように,口唇の血管性浮腫は非対称性のことがある。
DR P. MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY
慢性の口唇腫脹の原因としては以下のものがある:
慢性の口唇腫脹のまれな原因としては,予想外のアレルゲンへの曝露継続,肉芽腫性口唇炎,クローン病などがある。
評価における最初のステップは,気道の開存性を評価し,必要であれば気道を確保して管理することである。診断を目的とする問診では,原因として考えられる曝露および基礎疾患に焦点を合わせる。
治療法としては,同定された原因の除去や原因疾患の治療などがある。アレルギー性の口唇腫脹にはコルチコステロイド軟膏または抗ヒスタミン薬(例,ジフェンヒドラミン)を使用してもよい。慢性的な口唇組織の過剰に対する外科的切除が整容上有益となる場合がある。
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