日光による慢性的影響

執筆者:Julia Benedetti, MD, Harvard Medical School
レビュー/改訂 2021年 12月
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日光の慢性効果としては光老化,日光角化症,皮膚がんなどがある。(日光による影響の概要も参照のこと。)

光老化

慢性的な日光曝露は皮膚の老化(光老化,外因性老化)を引き起こすが,これは主に,様々な生化学的異常やDNA損傷により皮膚コラーゲンが破壊されることで起きる。皮膚の変化としては,細かいしわと粗いしわ,ゴワゴワした皮革様の質感,斑状の色素沈着,黒子(大きなそばかすに似た斑),黄ばみ,毛細血管拡張などがある。

光老化
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光老化を起こした皮膚は,細かいしわと粗いしわ,不整な斑状の色素沈着,黒子(そばかすに似た大きな斑),粗造な質感,および黄ばみが特徴である。
Image provided by Barbara A.Gilchrest, MD.

日光角化症

日光角化症は,長年にわたる日光曝露の結果としてしばしば生じる皮膚細胞(角化細胞)の前がん性変化である。日光角化症はピンク色,赤色,または頻度は低いが灰色もしくは褐色を呈し,粗造な質感や鱗屑を伴うことがある。

脂漏性角化症は日光角化症と外観が類似する。日光に曝露していない領域の皮膚に生じることもあるが,前がん病変ではない。

皮膚がん

皮膚の色が薄い人々における有棘細胞癌および基底細胞癌の発生率は,各地域の総年間日照量に正比例する。このような病変は,小児期および青年期に日光に大量に曝露した人々や職業またはレジャー活動(例,アスリート,農業従事者,牧場主,船乗り,日光浴愛好者)で慢性的に日光曝露を受ける人々で特に多くみられる。日光曝露は悪性黒色腫のリスクも大きく高める。

治療

  • 紫外線曝露を最小限に抑える

  • 光老化を起こした皮膚に対する外用療法

治療は紫外線曝露を最小限に抑えるための予防対策(日光浴や日焼けマシーンの使用を控え,防護用の衣服を着用し,サンスクリーン剤を使用する)から始まる。

光老化

ケミカルピーリング,フルオロウラシル(5-FU),α-ヒドロキシ酸の外用剤,イミキモド,光線力学療法,トレチノインなどを含む様々な併用療法が,前がん性変化を減少させ,慢性的な日光障害を受けた皮膚の美容的外観を改善する目的で用いられてきた。それらの治療法は,皮膚表層の変化(例,細かいしわ,不規則な色素沈着,黄ばみ,粗造な質感,軽度のたるみ)の改善にはしばしば効果的であるが,より深い変化(例,毛細血管拡張)に対する効果ははるかに少ない。店頭で販売されている化粧品には多くの成分が使用されているが,それらが日光による皮膚の慢性的変化を改善するという有意なエビデンスは得られていない。

日光角化症

日光角化症の治療については,日光角化症を参照のこと。

皮膚がん

皮膚がんの治療については,皮膚の悪性腫瘍を参照のこと。

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