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孤虫症は,条虫であるスピロメトラ属(Spirometra属)または芽殖孤虫(Sparganum proliferum )の幼虫による感染症である。
スピロメトラ属(Spirometra)および芽殖孤虫(Sparganum proliferum)の成虫はイヌ,ネコ,その他の肉食動物に感染する。虫卵は淡水中に排出され,橈脚類(例,ケンミジンコ[Cyclops属])に摂取される。魚,爬虫類,および両生類(カエルなど)が感染した橈脚類を摂取し,中間宿主の役割を果たす。孤虫症を引き起こす条虫は世界中に存在するが,ヒトの症例の大半は東南アジアで発生している。
ヒトやその他の哺乳類は,以下によって感染する:
ネコまたはイヌの糞で汚染された水から橈脚類を意図せず摂取する
加熱調理が不十分な他の中間宿主の肉を摂取する
これらの感染源の肉を含有する湿布を用いた民間療法
ヒトの体内では,幼虫は典型的には皮下組織または筋に移行し,緩徐に増大する腫瘤を形成する。中枢神経系など他の部位が侵されることもあるが,それほど一般的ではない。症状は腫瘤効果(mass effect)により引き起こされる。孤虫による中枢神経系の腫瘤は,筋力低下,頭痛,痙攣発作,しびれ,ピリピリ感,または皮膚の異常感覚を引き起こすことがある。
孤虫症の診断は典型的には外科的切除後に下されるが,画像検査で腫瘤が検出された場合に示唆されることもある。
手術は主な治療法でもあり,典型的には症候性の占拠性病変に対して実施される。一般に,駆虫薬による治療の効果は示されていない。
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