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精神医学的な診断の大半は中核症状によって分類されている。心的外傷およびストレス因関連症群(trauma- and stressor-related disorders)は,明らかな病因によって分類されている点で通常と異なっており,この群の疾患はいずれも,心的外傷的出来事またはストレスの強い出来事への曝露後に発生する。それらはしばしば不安症との関連で考察されるが,心的外傷およびストレス因関連症群では不安に加えて(または不安の代わりに)不快気分,易刺激性,解離,物質使用,または不眠症が生じることがある。
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th Edition, Text Revision(DSM-5-TR)では,以下のものが心的外傷およびストレス因関連症群に分類されている:
反応性アタッチメント症(小児でのみ診断される)
脱抑制型対人交流症(小児でのみ診断される)
心的外傷後ストレス症(PTSD)
他の特定される心的外傷およびストレス因関連症
急性ストレス症(ASD)と心的外傷後ストレス症(PTSD)は類似の疾患であるが,ASDが典型的には心的外傷の直後から始まって,持続期間が3日間から1カ月間であるのに対し,PTSDはASDに続いて発生するか,心的外傷から1カ月以上経過してから発生するという点が異なっている。また,心的外傷から6カ月以上が経過してから発症することもある。小児および青年におけるASDおよびPTSDについては,本マニュアルの別の箇所で考察されている。
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