松果体部腫瘍

執筆者:Mark H. Bilsky, MD, Weill Medical College of Cornell University
レビュー/改訂 2023年 5月
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松果体部腫瘍の大半は胚細胞腫瘍である。

    一般的な原発性松果体部腫瘍には,以下のような胚細胞腫瘍が含まれる:

    • 胚細胞腫(最多)

    • 絨毛癌

    • 卵黄嚢腫瘍

    • 奇形腫

    より頻度が低い原発性松果体腫瘍としては,松果体細胞腫や,まれながら悪性の松果体芽腫などがある。

    松果体部腫瘍は小児期に発生する傾向があるが,どの年齢層にも発生しうる。

    この種の腫瘍はシルビウス水道を圧迫して,頭蓋内圧を亢進させることがある。また,上丘より吻側の視蓋前域を圧迫することにより,上方注視麻痺,ならびに瞳孔の対光反射および調節反射の消失を引き起こすこともある(パリノー症候群)。視床下部が腹側に圧迫されることにより早発思春期を来すことがあり,特に男児によくみられる。

    松果体部腫瘍の診断はMRIおよび組織生検による。腰椎穿刺は脳ヘルニアのリスクがあるため,通常,禁忌である。

    松果体部腫瘍の予後および治療は腫瘍の組織型によって異なる。放射線療法,化学療法,定位放射線手術,および手術を単独または併用で施行する。胚細胞腫は放射線療法に対する感受性が非常に高くしばしば治癒する。

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